2021.07.16

インターハイ男子注目校(3)洛南(京都)「2人の指導者の下、“堅守速攻”で日本一へ」

近畿大会ではシックススマンとして流れを変える働きを見せた杉信イフェアニ[写真]=吉田孝光
取材歴17年目でミニバス、中学、高校、大学、トップリーグに日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 7月25日から30日にかけて新潟県で行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。2年ぶりとなった夏の祭典に向け、バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■男子注目チーム(3)洛南(京都府)

 6月に行われた「令和3年度 第68回近畿高等学校バスケットボール大会」にて優勝を飾った洛南高校(京都府)。6年ぶりの出場となるインターハイは第一シードで臨むこととなった。

 近畿大会で指揮を執ったのは河合祥樹アシスタントコーチ(以下AC)。洛南は、昨年ベスト4となったウインターカップしかり、長きにわたって吉田裕司コーチがメインで指導に当たっていたが、現在のチームになってからは、練習の組み立てなど河合ACが主体で行っているという。「指揮官は一人の方がいいので、こちらはどちらかというとアドバイザー的なポジション。ここ何年か一緒に見てきたから安心して任せています」とは吉田コーチは教え子でもある後継者について笑顔で語る。

 一方、大学卒業後、2017年から母校のスタッフとなった河合ACは「今はどちらかというと吉田先生のマネというわけではないですが、チーム作りの初心者なので、吉田先生がやってきた練習や伝え方をマネごとから始めていこうかなといったところです」とコメント。とはいえ、数字的な分析や編集した動画を用いるなど、選手への独自のアプローチも行ってもいるようで、「オール洛南で頑張ります」と吉田コーチは目を細める。

 チームに目を向けると、「昨年の小川敦也(筑波大学)ような全国的にずば抜けた選手はいない」と吉田コーチは言うものの、キャプテンで精神的支柱の岩屋頼(3年)、得点源としてアグレッシブなプレーを見せる大西一輝(3年)、オールラウンドな動きから得点を量産する星川開聖(2年)らをはじめ能力の高い選手は多い。またその選手たちが基礎基本に忠実な動きと攻防において調和のとれたバスケットを展開するのがチームの強みだ。近畿大会では内容こそ河合ACは納得はいっていないものの“負けない強さ”を見せ付けた。

 洛南のスタイルは『堅守速攻』――。

「上のカテゴリーに行った時に、自分自身が洛南で学んでおいてよかったなと思うことが多かったので、このスタイルは変えたくないし、守っていきたいです」と河合AC。吉田コーチも「粘り強さ、ディフェンスを頑張って速攻に持っていくということを少しでも強化していきたい」と言う。

インターハイに向けた課題に「ディフェンスのち密さ」を挙げた河合アシスタントコーチ[写真]=吉田孝光

 近畿大学附属高校(大阪府)との近畿大会決勝、後半出だしに20点近く点差を広げた洛南だったが、第3クォーター終盤に追い上げられたシーンがあった。この時、プレーの内容の悪さに河合ACは選手たちに激を飛ばしたという。

「(試合が終わっていないのに)近畿大会で優勝できたという雰囲気でバスケットをしだしました。どこを目指すのか。日本一を目指してるのに、優勝が見えてきたらそれをやめるのかと。3年生の弱さ、余裕ができた時の弱さだと思います。決勝は1試合を通して洛南のバスケットができたわけではありません」

 伝統の『堅守速攻』を継承し、そして目指す先も『日本一』。その考えがブレない若き指揮官と百戦錬磨の名将とがタッグを組んで臨む夏。3年ぶりのインターハイは「オール洛南」で頂点を目指す。

写真=吉田孝光
取材・文=田島早苗

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