2021.07.19

インターハイ男子注目選手(1)岩下准平(福岡大学附属大濠)「強気のプレーでけん引する“大濠の魂”」

インターハイ福岡県予選でもドライブから果敢に得点を試みた岩下[写真]=三上太
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 7月25日から30日にかけて新潟県で行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。2年ぶりとなった夏の祭典に向け、バスケットボールキングでは大会で注目の選手をピックアップした。

■男子注目選手(1)岩下准平(3年/福岡大学附属大濠高校/福岡県)

 福岡大学附属大濠のポイントガード、岩下准平(3年)は攻撃的なポイントガードである。インターハイ福岡県予選で見せた強気なアタックは、7月3日(土)~11日(日)の期間にラトビアで行われた「FIBA U19 ワールドカップ2021」でも十分に通用することを証明してみせた。

 コンタクトに強いドライブはもちろんのこと、3ポイントシュートを沈める力もあり、何より彼がボールを持ってプッシュすることでチーム全体のスピードが上がる。彼の攻撃性がチームに流れを生み出すといっていいだろう。それは福大大濠でも同じこと。チームを率いる片峯聡太コーチも福岡県予選の決勝戦後にこう言って、彼への信頼を示した。

「岩下が加わることで、ボールの落ち着きどころができて、オフェンスの点数を取るバリエーションは間違いなく増えました。彼が起点になって、ノーマークの3ポイントシュートなどができているので、彼の復帰はチームとして非常に大きな戦力的効果があります」

 とはいえ、心配がないわけではない。昨夏に受傷した左膝前十字靱帯の断裂から体力面での回復はまだ道半ば。その上、U19ワールドカップに出場したことで、帰国後は一定期間の隔離生活を余儀なくされる。その間の体力的なアプローチが、今大会の岩下の出来を左右するかもしれない。片峯コーチも左膝の状況を見て、起用は慎重に考えたいと話す。

 それでもやはり岩下のプレーに注目しないわけにはいかない。10カ月におよんだ大きなケガから復帰し、U19日本代表の司令塔として世界と戦い、そして今、自身初のインターハイに挑むのである。体力を凌駕するほどの、魂のこもったプレーを見せてくれるのではないか。むろん無理は禁物だが、岩下がU19ワールドカップで見せたような気迫を体現できれば、チームを4年ぶりの夏の王者に引き上げることもできるはずだ。

途中合流となるが、岩下は自身初となるインターハイに臨む[写真]=三上太

取材・文・写真=三上太

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