2021.07.25

『能代科学技術』が『能代工業』から校名変更後初の全国で1勝…「大事なものは守っていく」と指揮官

19得点10リバウンドでダブルダブルを達成した能代科学技術の髙橋[写真]=伊藤 大允
取材歴17年目でミニバス、中学、高校、大学、トップリーグに日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」は男子が開幕。7月25日は1回戦が行われた。

 シティホールプラザ アオーレ長岡に登場したのは、今春、能代工業高校から校名が変更となった能代科学技術高校(秋田県)。校名変更後、最初の全国大会として注目が集まった。

 試合は、出雲北陵高校(島根県)に対して第1クォーターを終えて17-22とビハインドを負ったが、第2クォーターでは中嶋正尭(3年)と安田圭汰(2年)らの高さが効き、リバウンドやインサイドプレーで加点。前半を45-40とリードして折り返す。

 後半に入ると「(相手の)ターンオーバーを誘ったのはステイローからのディフェンス。チームに流れを作った」と小松元コーチが言うように、激しいディフェンスで相手を苦しめると、攻めてはドライブや3ポイントシュートが効果的に決まる。第3クォーター終盤からは速い展開からの得点も増え、最後は101-80とハイスコアで勝利した。

「相手のシュート確率が良くて驚いた前半でしたが、(後半は)しつこく守ることができたこと、同時にギアが上がって速攻が増えました」と試合を振り返った小松コーチ。校名が変わって最初の全国大会ではあったが、小松コーチ自身、特に意識はなかったという。それは指揮官をはじめ、多くの選手が初めてのインターハイだったから。

「それもあって、昔の能代工業ではないんだよと言いながらやっています。ただ、そうは言いながらも、大事なものは守っていこう、やり続けていこうと。変わるところは変わる、守るところは守ると、全てをプラスにして練習しています」と小松コーチは言う。

 守っていきたいものは、「(前任の)小野秀二さんがおっしゃっていたように、泥臭いところ、こぼれ球を拾う、ボールにダイブするようなバスケット」(小松コーチ)。あくまでも能代工業の伝統のスタイルは継承していく構えだ。

福岡から秋田へ、名門チームの門を叩いた司令塔

 
 そのチームを引っ張るのがポイントガードの髙橋裕心(3年)。ベスト8となった一昨年のインターハイでも1年生ながらエントリーメンバー入りをしており、キャリアがある。さらに自身も「うまくいかないときに声を掛けることが自分の役割です」という頼もしいエースだ。

 司令塔としてもチームをまとめる髙橋は、福岡県から能代科学技術に入学。そこには福岡大学附属大濠(福岡県)のエース・岩下准平(3年)の存在が大きく、「中学からライバルでしたが、納得した勝ち方はなかったので、高校で倒したい」と思い能代科学技術(当時は能代工業)に進んだそうだ。

 奇しくも明日(26日)の2回戦はその大濠と対戦。ラトビアで開催された「U19 ワールドカップ」に出場していた岩下は、帰国後の隔離期間の関係で、明日の出場は厳しいが、福岡県代表チームとの対戦に「気持ちは入っています」と髙橋。「激しいディフェンスからスピードで相手を圧倒する。スピードを意識したいです」と力強く意気込みを語った。

福岡大学附属大濠戦にむけて「思い切ってシュートを打ち続けること」と能代科学技術の小松コーチ[写真]=伊藤 大允

写真=伊藤 大允
取材・文=田島早苗

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