2021.07.26

しなやかな動きを見せる白樺学園の山田哲汰…「ガードとしてゲームメイクができるように」

188センチでポイントガードを務める白樺学園の山田[写真]=三上太
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 またも全国初勝利はお預けとなった――。

 北海道予選を1位で通過し、「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」ではシードのため大会2日目(26日)に登場した白樺学園高校だったが、桐光学園高校(神奈川県)に74-86で敗れた。

「第3クォーターに相手のディフェンスが激しさを増してきて、思うようにオフェンスができなかったのが敗因です」

 チームを率いる宮下真和コーチはこう試合を振り返る。前半こそ12点リードで折り返したが、第3クォーターの10分間で14-32と一気に逆転されてしまった。

 インターハイは2大会連続3回目の出場。ウインターカップにも過去に一度出場しているが、全国ではいまだ勝利なし。今回はそれに近づいていただけに、悔しさもひとしおだろう。

 それでも今年はスタメン5人のうち4人が2年生という、いわゆる下級生チーム。宮下コーチも「まだまだ伸びていくし、期待のできる選手たちです。ここから勝てるようにしていきたいです」と、悔しさの中にも意気込みを忘れていない。

 その下級生の中で目を引いたのが山田哲汰(2年)。188センチのポイントガードである。ファウルトラブルでコートを離れる場面もあったが、30分27秒の出場で13得点8リバウンド6アシストを挙げている。

 しかし試合後、本人は反省の弁が先に立つ。

「ガードというポジションなのに、チームをまとめることも指示を出すこともできませんでした。流れが悪くなったときのオフェンスが、同じことを繰り返すだけになってしまったし、ファウルトラブルでベンチに戻ってからもあまり声を出せなかったし……全然ダメです」

 それでもドライブのキレやキックアウトを出すタイミングは絶妙だった。ポイントガードにコンバートして、まだ1年も経っていないというのだから、その伸びしろは大きい。

山田は、桐光学園との試合では13得点をマークした[写真]=三上太

 母は第一勧業銀行やシャンソン化粧品で活躍した元Wリーガーの旧姓・奈良岡幾子さん。今はチームのアシスタントコーチも務めている。伯母はアトランタ・オリンピックにも出場した山田かがりさん。母からは「思い切りやってこいと言われましたが、それが全然できませんでした。力不足です」と消沈するが、あの2人の血を引く彼なら、これからもっとたくましく成長するはずだ。

取材・文・写真=三上太

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