7月28日、新潟県長岡市で「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）男子の部」の4日目が行われ、シティーホールプラザアオーレ長岡で福岡大学附属大濠高校（福岡県）は、東海大学付属諏訪高校（長野県）との準々決勝に臨んだ。

　第1クォーター終盤にリードを奪われた福大大濠だったが、第2クォーターは相手の得点を13点に抑え込み、逆転に成功。第4クォーターはわずか6失点と高いディフェンス力を発揮し、91－65でベスト4に進出した。

　福大大濠は、スタメンの全員が2ケタ得点を挙げた。さらに、ラトビアで行われていた「FIBA U19ワールドカップ2021」に出場した、岩下准平（3年）と川島悠翔（1年）が帰国後の隔離期間を終え、ついにチームに合流。ベンチスタートとなった2人は、岩下が28分42秒の出場で9得点6アシスト、川島が19分53秒の出場で6得点7リバウンドをマークした。

　自身のインターハイ初戦について岩下は「自分と川島がチームに合流したのは昨日でした。昨日の練習にはまだ参加ができなくて、周りで体を動かすぐらいだったので、ぶっつけ本番での試合でした。噛み合わない部分も最初はありましたけど、後半になるにつれて全体で声を出しながら盛り上げていけたので、明日につなげられたかなと思います」と振り返った。

「気持ちの面で噛み合わないというか、不安な部分があった」と語る岩下は、無事に準決勝にコマを進め「ホッとしました。最初は競っていたんですけど、最後は流れが良かったので」と安堵の表情を見せた。

　帰国後はバスケットボールリングがない環境での隔離期間を過ごし、ホテルの施設にあるジムでのトレーニングや、フットサルコートの芝生でのドリブル練習など、独自に体を動かしていたと話す。

「自分たち高校生４人組（菅野ブルース、山﨑一渉：仙台大学附属明成高等学校）は、（気持ちが切れないように）みんなで話し合いながら、ゆっくりするところはゆっくりして、メリハリをつけてハードワークしました。夜の自主練で体力を落とさないように、やれることは全部やり切りました。シュートは打っていないので、入らないのはしょうがないです。それでも今日の試合で1本3ポイントを決められたのは良かったです」

　ワールドカップでは「ガードとして試合をコントロールする難しさを学んだ」と話し、「今まで以上に余裕を持ってプレーしようかなと思いました。世界にはすごい人ばっかりで、自分は全然ダメでした。もっと自分の技を磨いていけたら」と振り返った。

　それでも「自分1人でという言い方はアレですけど、自分が喋りながら試合をコントロールするのはできると思うので、そこはしっかり今回のインターハイでも試合を動かせたらなと思います」と世界の舞台で吸収した経験を、岩下は今大会で早くも発揮してくれるようだ。

　最後に岩下は準決勝に向けて、「自分たちのバスケットができれば勝てると思うので、決勝へコマを進められるよう頑張っていきます」と力強く語った。

　ついにメンバーがそろった福大大濠。4年ぶりの優勝へ向けて視界良好だ。