2021.07.29

インターハイ2021男子決勝の見どころ「中部大第一か⁉帝京長岡か⁉ともに初優勝を狙う」

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 7月29日、「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」の男子準決勝が行われ、中部大学第一高校(愛知県)と帝京長岡高校(新潟県)が決勝進出を決めた。

自らの色を出した方に勝算あり⁉激戦必至の決勝戦

 中部大第一は福岡大学附属大濠高校(福岡県)と、帝京長岡は仙台大学附属明成高校(宮城県)と、今日(29日)の準決勝はいずれも接戦に。

 中部大第一は、前半を終えて38-25と13点のリードを奪い、第3クォーター出だしにも18点差を付けたが、福大大濠の猛追に遭い一時は4点差に詰められてしまう。だが、幾度となく訪れた我慢の時間をしのぐと、坂本康成(2年)の3ポイントシュートやアブドゥレイ トラオレ(3年)のリング下のシュートなどで加点。第4クォーターではファウ谷口歩(3年)のドライブも飛び出し、最後は83-69で勝利した。

「苦しい時間帯が続いて自分たちのバスケットできなかったので、谷口と小田を入れてかく乱させたかったのですが、それが上手くいきました」と常田健コーチ。谷口と小田晟(2年)が見事起用に応えたといえる。

 トラオレと田中流嘉洲(3年)のリバウンドに強いインサイド陣に加えて、スピードのある司令塔・下山瑛司(2年)、オールラウンダーの福田健人(3年)、シューターの坂本と高い攻撃力を誇るスターターを擁する中部大第一。加えてバックアップメンバーの谷口、小田の活躍は、決勝に向けてチームを後押しするだろう。

 常田コーチは、「自分たちのやってきたことを出す。相手へのアジャストに(自分たちの)力を削ぐよりは、うちのバスケットをしたいです」と決勝に向けて抱負を語った。

 一方、「中部大第一さんはインサイドもアウトサイドも非常に強い。そこをうちがどれくらい守れるかだと思うので、しっかりと準備したいです」と語るのは、帝京長岡の柴田勲コーチ。

 帝京長岡は、準決勝では優勝候補筆頭の明成と対戦。第1クォーターでは2点のビハインドを負ったが、第2クォーターで逆転に成功すると、シーソーゲームとなった後半も要所での3ポイントシュートが効き、大接戦の末に75-73で勝利をものにした。

「ディフェンス、リバウンドともに選手たちが粘り強く戦ってくれた」と柴田コーチ。

 帝京長岡の中心は205センチのコネ ボウゴウジィ デット ハマード(2年)。準決勝でも27得点21リバウンド8ブロックという数字を残している。そのコネを中心にオフェンスを組み立てるが、コネのインサイドだけでなく、アウトサイドでは古川晟(3年)や島倉欧佑に大月舜(ともに3年)らが小気味よく3ポイントシュートを放つため、相手にとっては的が絞りにくい。加えて、181センチの島倉はドライブからのフィニッシュも上手く、準決勝でも23得点とコネに続く得点源となっていた。

 開催地が学校の所在地と同じ長岡市のため超が付くほどの地元。今大会は無観客開催のため、大声援を生で感じることはできないが、「ここから学校まで自転車で10分くらいなので、いつもの試合のような感じで臨めてます」(大月)と、地の利はある。

 どちらがチームの強いを出せるのか⁉ いずれにせよ、両チームともに勝てば初のインターハイ優勝。新たな歴史が刻まれる戦いに注目だ。

写真=伊藤 大允
取材・文=田島早苗

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