2021.08.05

インターハイ女子注目校(5)桜花学園(愛知)「選手層の厚さで群を抜く前回覇者」

2大会ぶりの開催となるインターハイでは前回大会に続いての優勝を目指す桜花学園[写真]=山田智子
取材歴17年目でミニバス、中学、高校、大学、トップリーグに日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 先月末の男子に続いて8月10日から15日にかけて行われる「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。女子は新潟県新潟市での開催となる。2年ぶりに夏の女王の座をつかむのはどこか⁉ バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム(5)桜花学園(愛知県)

 昨年からスターターを担うセンターの朝比奈あずさ、姉である平下愛佳(トヨタ自動車アンテロープス)譲りの勝負強さを見せる平下結貴、優勝した2年前の国民体育大会で全国に名を轟かせた伊波美空といった3年生たちをはじめ、中学時代には全国大会2連覇の経験もある森美麗(2年)など、能力が高い選手がそろう桜花学園高校(愛知県)。それだけに、今夏の大会でも優勝の期待が高まっている。

 だが、そんなチームに黄色信号がともったのは6月の「第68回東海高等学校総合体育大会」。同大会では決勝まで危なげなく勝ち上がったが、決勝では岐阜女子高校(岐阜県)に敗退。試合は前半を11点リードしたものの、後半に岐阜女子の猛追に遭って逆転負けを喫した(69-74)。

「メンタル面での弱さが出てしまいました」とキャプテンの朝比奈は試合を振り返る。一方、指揮を執る井上眞一コーチは「今年の選手はガッツがない」とバッサリと言い放った。

 選手個々の勝ちへの意識、モチベーション向上などがのぞまれる中、井上コーチが名前を挙げたのが167センチの伊波。もともと得点力は高く、力強いドライブや速い攻めに絡んで得点を奪う選手だが、井上コーチは「ボールを持っても攻めない。(昨年のキャプテン)江村(優有/早稲田大学)のような感覚、凄みがない」と言う。だがこれは、絶対的エースであった江村のような活躍をするだけの力が伊波にはあるという期待の裏返しともいえる。「1試合で10点以上は取ってほしい」と井上コーチも具体的な数字を示しながら点取り屋に奮起を促した。

チーム浮沈のカギを握る3年生の伊波[写真]=山田智子

 また、全国大会の優勝68回を誇る名将は、インターハイを見据えてしっかりとチームの強化も図っている。例えば、東海大会の決勝では、朝比奈が体を張っったディフェンスを見せたものの、岐阜女子の留学生であるアググア チカチュクウ(184センチ)に20得点17リバウンドを献上してしまった。そのことを踏まえ、留学生へのディフェンスはさらに強化中だという。桜花学園の基本のスタイルは『ディフェンスからの速い攻め』だが、セットオフェンス等も取り入れ、オフェンス面でも着実に変化を加えている。

「どうなるか分からない」と井上コーチはインターハイに向けては曖昧な言葉を残したが、それもこれも3年生を中心とした選手たちの奮起次第。負けからスタートする形となった今年のチームは、その悔しさをバネに、夏の全国大会では、闘志を前面に出した戦いで日本一の座を奪いにいくだろう。

写真=山田智子
取材・文=田島早苗

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