2021.08.14

桜花相手に22得点11リバウンド…京都精華の1年生PF・八木悠香「冬は絶対日本一」

ドライブから果敢にシュートを試みた八木[写真]=伊藤 大允
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 桜花学園高校(愛知県)vs京都精華学園高校(京都府)の「令和3年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」準決勝は、大激闘の末に66−63で桜花学園が勝利。試合終了残り2.3秒、エース・朝比奈あずさ(3年)がゴール下でバスケットカウントを決めた。

 ただこの試合で最多得点を挙げたのは、その朝比奈でも京都精華学園の188センチの留学生でもない。京都精華学園のルーキー・八木悠香(1年)だ。

 176センチのパワーフォワードはこの日、同じくルーキーでスタメンの堀内桜花とともに40分間のフル出場。得意のドライブからのレイアップ、ジャンプシュートも精度良く沈め22得点を奪った。さらには中学時代からともにプレーする堀内が「まず、手足が長い(笑)」と指摘するように、長いリーチを生かしてリバウンドでも奮起。計11リバウンド中6つのオフェンスリバウンドをもぎ取った。

 決勝進出をかけた一戦、八木自身も気合が入っていたと話す。「自分は森(美麗/2年)さんにマークをつかれていて、全中の時はマッチアップしていないですけど、延長戦で負けていたのでそのリベンジもしたいと思ってました。なので最初から積極的にリングにアタックしました」。

 2019年の全国中学校バスケットボール大会で、当時八木が所属していた京都精華学園中学校は、森を擁する八王子市立第一中学校に決勝トーナメント2回戦で敗れている。今回はその森からバスケットカウントを奪い、相手をベンチへ追いやる場面もあった。

 惜しくも決勝進出はならなかったが、“女王”と称される桜花学園と互角に戦えたことは、八木にとってもチームにとっても確かな自信になったはず。敗戦からの涙が引くと、「出し切れました」と八木。一方の堀内は、強気にリベンジを誓う。「一緒の高校生やし、普通に勝てる相手やと思います。最後とられてなかったら勝ってたと思うから、いけると思います」。

 八木とポイントガードの堀内は、1年生ながら今大会でも全試合で先発出場を果たした。また、2人とともにディマロ ジェシカ(1年)もチームの主力であり、すでに主軸としてプレーしており、桜花学園相手に20得点17リバウンドを挙げている。言うなれば、3人は今後の京都精華学園を担う存在だ。

「堀内は一緒にコートに出てる身としてめっちゃ大きい存在。まだ高1やけど、声でもプレーでもガードとしてみんなをまとめてくれています。ジェシカは身長が大きくても走れるし、外からドライブができるのがスゴいです」

 八木が一緒にプレーして4年目の2人を褒めれば、堀内も「リバウンドでも留学生に負けずに体を張ってくれるので、自分もオフェンスの時にいいパスを出してあげたいって思います」と口にする。最後に八木は、今大会への感謝を述べて次を見据えた。

「コロナ禍で開催されたことに対しては、いろんな方々に感謝したいです。今回はベスト4やったから、冬は絶対日本一になろうと思いました。フィニッシュのところで相手に当たられても負けないよう、もっとフィジカルを鍛えていきたいと思います」

『打倒・桜花』、そしてウインターカップでの日本一獲得へ、即戦力ルーキーたちの成長はさらに加速する。

八木とともに1年生でスターターを堀内[写真]=伊藤 大允


写真=伊藤 大允
取材・文=小沼克年

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