2021.11.04

福岡大大濠との“我慢比べ”に福岡第一が勝利! インターハイ予選のリベンジを果たす

3年生の佐藤涼成は、攻防において強気のプレーで引っ張った[写真]=佐々木啓次
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「令和3年度福岡県高等学校バスケットボール選手権大会・福岡県大会兼ウインターカップ2021 第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会・福岡県予選」の男子決勝は、福岡第一高校が69-60で福岡大学附属大濠高校に勝利した。

 どちらもウインターカップの出場権は獲得してはいたものの、ライバル対決に気を吐いたこの一戦。スタートダッシュに成功したのはインターハイ県予選で僅か1点に泣き(76-77)、全国出場を逃していた福岡第一だった。

「ガード陣が得点を取るように」という井手口孝コーチの期待に応え、出だしから佐藤涼成(3年)、轟琉維(2年)らが思い切りの良いシュートを決めた福岡第一。タイムアウトで立て直しを図る福岡大大濠をしり目に、8点リードで迎えた第2クォーターでも速いオフェンスから得点を重ねていった。

 一方、リズムに乗れない福岡大大濠は、第2クォーター終盤には岩下准平(3年)が2連続で3ポイントシュートを沈めると、残り14秒には湧川颯斗(2年)がドライブからのバスケットカウントを決めて、苦しみながらも28-30と2点差に詰めて前半を終えた。

 後半幸先よくスタートを切ったのは福岡第一。轟、佐藤の勢いは止まらず、スピードに乗ったプレーで福岡大大濠を翻弄する。

 それでも、対する福岡大大濠は「ディフェンスは悪くなかった」(片峯聡太コーチ)と、第3クォーター中盤に福岡第一のオフェンスをしのぐと、攻めては本山遼樹(3年)が自らの3ポイントシュートなどで盛り立てる。残り2分半を切ったところでは泉登翔(3年)のバスケットカウントで1点差とし、試合を振りだしに戻したかに思われた。

 だが、幾度となく訪れる劣勢の状況にも執拗なディフェンスと攻め気の姿勢を崩さなかった福岡第一は、その後連続得点でリードを広げると、第4クォーターでは轟を起点に着実に加点。最後は岩下らで粘る福岡大大濠を振り切り、熱戦に終止符を打った。

福岡大学附属大濠は岩下准平が気を吐くも一歩及ばず[写真]=佐々木啓次


 地元のテレビ局が生放送するなど注目の戦いを制した福岡第一。会場のインタビューでは、井手口コーチが「子供たちの姿を見て久しぶりに感動しました」と声を詰まらせる場面も。3年生の佐藤は「オールコートプレスが機能したことで決着をつけることができました」と胸を張った。

福岡第一の部員全員で勝ち取った優勝となった[写真]=佐々木啓次


 また、敗れた福岡大大濠の片峯コーチは、「60点前後の失点だと予想していました。うちが80点を取れれば。(足りなかった)20点が大きな反省点です」とオフェンス面での課題を口にした。さらには、「オフェンスがうまくいかず、チームとしての忍耐や我慢が必要な時に、球際が弱かったところがありました」とも振り返った。

 この試合では敗れたものの、インターハイ3位と地力のある福岡大大濠。そしてその福岡大大濠を脚力で圧倒した福岡第一と、“福岡の頂上決戦”は両チームのウインターカップでの好成績を期待させるものとなった。

【男子最終順位】
優勝  福岡第一
準優勝 福岡大学附属大濠
3位   中村学園三陽
    八女学院

取材・文=田島早苗

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