2021.11.15

愛知県男子のWC出場3校が出そろう…最後の切符は“ワクワク”バスケットの豊田大谷が獲得

初のウインターカップ出場を決めた豊田大谷の選手たち[写真]=バスケットボールキング編集部
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「第74回全国高等学校バスケットボール選手権大会愛知県大会」の最終日となった11月14日、男子は3位決定戦が行われた。

 愛知県の男子は今年、中部大学第一高校が6月の東海大会と7月のインターハイに優勝したことからウインターカップの出場枠が3枠に。11月3日には中部大第一と桜丘高校との間で決勝が行われ、中部大第一が優勝。準優勝の桜丘も中部大第一と同様に冬の全国への切符を手にしていた。そして残る1枠を豊田大谷高校と安城学園高校とが争うこととなった。

 その3位決定戦、試合は序盤から互いに一歩も引かず、ともに3ポイントシュートなどで得点を重ねていく。第2クォーターでも様相は変わらず、前半は豊田大谷が33-29と僅か4点のリードで終えた。

チームを引っ張った安城学園の下村悠斗[写真]=バスケットボールキング編集部

 迎えた後半、豊田大谷は第3クォーター中盤に速攻などで得点を連取し、点差を10に広げる。8点差で迎えた第4クォーターでも加藤壮馬(2年)の速攻からのバスケットカウントなどで加速した豊田大谷。ディフェンスでは、前半に続いてゾーンとマンツーマンディフェンスを併用し、安城学園のリズムを狂わせると、193センチの奥村サトシ(3年)のリバウンドも光り、75-72で勝利。追い上げる安城学園を振り切り、初となるウインターカップ出場を決めた。

「ワクワクしたバスケットをしようというテーマで臨みました」と試合を振り返ったのは、豊田大谷の清水淳コーチ。今大会は、シードのため4回戦からの登場だったが、初戦となる愛知工業大学名電高校戦では苦戦を強いられた。「9割9分9厘負けていた」(清水コーチ)状態から勝ちをものにし、「その勝利を“勢い”にしてみんなで頑張ろうと戦いました」と指揮官は言う。

「2年生ガードの舘田拳斗が献身的に声を出していました。それに3年生の奥村や藤島隼大のインサイド陣、特に藤島は高さはないけれど10センチ以上のミスマッチがある中、よく相手を抑えていました。みんなでつかんだ勝利だと思います」と清水コーチは選手たちの労を称えた。

「少しずつ成長していき、その中でインサイドとアウトサイドとのバランスが取れるようになった。何より脚力が付いてからディフェンスが安定したのが大きかったです」というチームを、清水コーチは「久しぶりに負けん気のある選手たちがいて、言ったら返ってくる。イケイケドンドンのチームです」と笑顔で評する。その言葉どおり、試合では、常に足を動かしたディフェンスと、ここぞの場面で繰り出す速攻など、運動量で安城学園を凌駕した。

 また、3位決定戦で言えば、試合開始時間は17時だったため、この試合が47都道府県の中で最後の出場権を決める試合に。「(ウインターカップ予選では)日本で最後の試合。こんな夢みたいな話はないよねと話をしました」という清水コーチの後押しを受け、選手たちは大一番を楽しむかのように伸び伸びとプレーした。

「ウインターカップは初出場。私自身も初なので、まったくイメージできないのですが、自分たちの良さを出して、できることを精一杯やりたいです」と清水コーチ。あこがれの冬の全国で豊田大谷がどんなバスケットを見せるのか。“ワクワク”バスケットの挑戦は続く。

速攻から得点を挙げた豊田大谷の加藤[写真]=バスケットボールキング編集部

【男子最終順位】
優勝  中部大学第一
準優勝 桜丘
3位   豊田大谷
    安城学園

取材・文・写真=田島早苗

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