2021.12.07

【ウインターカップ2021注目選手】轟琉維(福岡第一)「2年ぶりの冬の日本一へ。カギを握る司令塔の“ルイ”」

河村勇輝の背番号8を引き継ぐ福岡第一の轟琉維 [写真]=佐々木啓次
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「すごく苦しい時間帯もあったのですが、(コーチの)井手口孝先生が言っていたように、粘り勝ちすることができて良かったです」

ウインターカップ福岡県予選を制し、試合後に安どの表情を見せたのは福岡第一高校の2年生ガード、轟琉維。

インターハイ3位の福岡大学大濠高校との対戦となった決勝では、3年生の佐藤涼成とともにスピードに乗った攻撃を披露。ドライブでディフェンスをかき回すと、果敢にリングに攻め込んだ。加えて「大濠は大きくて、なかなか中に(ドリブルで)突っ込むことができないので、ジャンプシュートを意識しました」と言うように、ミドルシュートも効果的に沈めて得点を量産。轟は、前から激しく当たるディフェンスでも福大大濠を苦しめるなど、攻防において勝利に大きく貢献した。

その轟のユニフォームの背番号は、目標の先輩である河村勇輝(東海大学2年)がかつて着けていた“8番”。それでも、偉大なる先輩の番号を引き継いだことに「あまり意識はしてないです。自分のプレーができればいいかなと思っています」と冷静に語る。

「(決勝では)あまり速攻を出すことができなかったし、3ポイントシュートの確率も悪く、ディフェンスも最後までしっかり守れていませんでした。個人的にもガードとしてコントロールミスなどが目立ったので、ウインターカップまでに修正して、ガードの役割をしっかり果たせるようにしたいです」

冬の全国大会に向けて、轟の口から出てくる言葉は反省ばかりだが、それも日本一を見据えての事。夏のインターハイでは、県予選決勝で福大大濠に1点差で涙をのんで出場はならなかっただけにウインターカップに懸ける思いは強い。

「鋭いドライブからのジャンプシュートやさばいて仲間をノーマークで打たせること」を得意とする福岡第一の超速ガード。憧れの河村も冬の舞台でその存在を大きく知らしめたように、轟が今年のウインターカップの話題をさらう選手になる可能性は大きい。

文=田島早苗

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