2021.12.13

【ウインターカップ2021注目チーム】福岡大学附属大濠「オフェンスに磨きをかけて頂点まで駆け上がる」

攻撃力の高い選手が多くそろう福岡大学附属大濠高校[写真]=佐々木啓次
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

7月に開催された「FIBA U19ワールドカップ2021」に出場した岩下准平(3年)と川島悠翔(1年)をはじめ、2年生エースの湧川颯斗に3年生の針間大知に泉登翔と、他選手も含め攻撃力の高い選手が多くそろう福岡大学附属大濠高校(福岡県)。夏の「令和3年度 全国高等学校総合体育大会 バスケットボール競技大会」(以下インターハイ)では、岩下と川島がハンガリー開催のU19ワールドカップから帰国し、隔離期間の影響で準々決勝からの参戦となったが、総合力で3位。やはり「ウインターカップ2021」でも優勝候補の一角に挙げられる。

しかし、11月のウインターカップ福岡県予選決勝では、福岡第一高校(福岡県)に60-69で敗退。スピードある攻撃とプレッシャーの強いディフェンスを見せた福岡第一に押し負けてしまった。

福大大濠は、インターハイ以降、夏に敗れた中部大学第一高校(愛知県)や昨冬を制した仙台大学附属明成高校(宮城県)らを意識してサイズアップを図った。だが、「サイズアップしたことで、オフェンス面での役割分担が詰め切れていなかったし、磨きをかけることができていなかったです」と片峯聡太コーチは福岡第一との試合を振り返る。ディフェンスこそ、失点は60点台と指揮官が想定していた範囲内に抑えたものの、自らの得点では80点台という目標には達しなかった。

また試合では、苦しい時間帯、キッカケを作りたいときに福岡第一にルーズボールを奪われるなど、波に乗ることができなかったのも大きく、「チームとしての忍耐や我慢。オフェンスがうまくいってないからこそ、逆にルーズボールなどをやり続けなければいけないのに、球際が弱く、まだまだ力不足だと感じました」と片峯コーチは言う。さらに「全国を勝ちたいという気持ちと福岡第一にしっかり勝たないといけないという思いのギャップを私がきれいに埋めれてなかった」とも続けた。

福岡第一戦を経て、「大きな選手がどれだけリバウンドやシュートに絡めるかは、すごく重要だと思います。(サイズアップを図りながら)要所ではサイズを小さくして3ポイントシュートなど織り交ぜていきたいです」と片峯コーチはウインターカップを見据える。

福岡県予選で足りなかった20点の課題はハッキリと見えている。オフェンスでの役割の徹底と精度を高めること。また、川島ら「下級生の伸び」も指揮官は冬のポイントに挙げた。

ウインターカップでは初戦から開志国際高校(新潟県)との対戦が待っており、登る山は険しい。だが、爆発的な得点力を誇る福大大濠は、その頂に到達する力は十分に兼ね備えているといえる。

文=田島早苗

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