桜花学園高校がインターハイ、ウインターカップと2冠を獲得した昨年、森美麗は主軸として奮起したが、個人的には満足のいくプレーはできなかったという。その悔しさを抱えて挑む高校最後の年。練習ではチームメートに声をかける姿が多く見られるなど、最上級生として、様々な面でチームを盛り立てている。

取材・文＝田島早苗

昨年の悔しさがあるから、今年は自分がやらなければいけない

――まずはじめに、昨年を振り返ってください。
森　1年生のときは、ケガなどであまりプレーをしていなくて、でも、（2年生になって）ちょっとずつ試合に出るようになってからは、いろんな経験できたり、自分に足りないことが分かったりしました。ただ、（昨年は）あまり優勝に貢献できていなかったと思うので、そこは悔しいです。ディフェンスもそうですし、もっとゴールに向かう姿勢があったらよかったかなと思っています。

――その悔しい思いを持って迎えた新チームでは、森選手自身、どういった立場にあると思っていますか？
森　みんなより少し経験も積ませてもらっているので、それを生かして、プレーで見せることや、行動でも声を一番出すなど、そういったところを頑張っていきたいです。

――最上級生になって、気持ちは変わりましたか？
森　はい、だいぶ。新チームに切り替わってからは自分がやらなきゃと思っています。自分の中では、昨年の自分のプレーに対してすごく悔しかったので、絶対に今年はそういう思いしたくないです。

昨年の悔しさを胸に高校最後の1年間に臨む（写真はウインターカップ2021のもの）[写真]＝バスケットボールキング

――プレーで取り組んでいることは。
森　リバウンドとブレークのときに先頭を走ることを頑張っています。

――コーチ陣から今、求められていることは何ですか？
森　昨年はディフェンスがダメだったので、ディフェンスを意識して頑張るようにと言われているのと、走りが足りないところがあったので、今年はけっこう走りを頑張っています。

――得点に関しては？
森　（具体的な数字の）目標は特にありませんが、昨年以上には点数を取っていきたいです。

――昨年はセンターの朝比奈あずささん（筑波大学）と一緒に試合に出ました。彼女から学んだことも多かったのでは？
森　シールがすごく強いんですよ。だからそのシールの強さとか、シュートもいろんな種類のシュートを持っているので、そこはマネしていきたいと思います。

――昨年からの主力も多い京都精華学園高校（京都府）意識する相手になってくるのではないですか？
森　私は中学生のときから（京都精華学園とは）ライバルとして戦ってきたので、負けたくないという気持ちはあります。今年も勝ちたいです。留学生は自分たちのチームにはいないので、その分、下にボールが落ちたところを狙うなどして、（留学生を）止めていかないといけないですね。

――全国には留学生の選手を含め、大きなビッグマンがいます。その選手に対しての強化していることなどはありますか？
森　（今まで）左手でゴール下のシュートを打つのが苦手だったのですが、相手が大きいので、左手でも打っていかないといけないと思っています。そういった細かいところを取り組んでいます。

海外の選手と戦ったも負けない渡嘉敷来夢が目標

これまでライバルの京都精華学園とは何度も戦ってきた（写真はウインターカップ2021のもの）[写真]＝バスケットボールキング

――目指してる選手はいますか？
森　渡嘉敷来夢さん（ＥＮＥＯＳサンフラワーズ）です。あとは、（所属していた）クラブチーム（のコーチ）で、立川真紗美さん（元日本代表、JX-ENEOSサンフラワーズほか）にお世話になっているのですが、人柄を本当に尊敬してます。

――渡嘉敷選手のどういったところを参考にしていますか。
森　海外の選手と戦っても負けていないので、体の当たりの強さをマネしていきたいです。

――渡嘉敷選手のメンタルの強さなども感じることはありますか？
森　ケガをしているときに、渡嘉敷さんがベンチから一番声出していて、それは映像を見ただけでも分かったので、私も、陰でもチームを支えられるようになれたらいいなと思います。

――今年のチームの強み、ウリは？
森　雰囲気は明るいので、そこはいいと思います。プレーでは、走れるチームだと思うので、みんなで走っていきたいです。（普段の）生活でも仲はいいので、コミュニケーションもドンドンと取っていきたいです。

――個人的な目標を教えてください。
森　もっと得点を取っていって、絶対に昨年より活躍したいと思います。全力で頑張ります。

――最後に、将来的はどんな選手になりたいか聞かせてください。
森　みんなから頼りにされ、信頼されるような選手になりたいです。