2022.04.07

【注目選手紹介】高校最後の年を迎えて決意を新たにする大阪薫英女学院のエース・都野七海

最終学年を迎えた大阪薫英女学院高校の都野七海 [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「昨年の(3年生だった)宮城楽子さん(日本体育大学)や佐藤双羽さん(山梨学院大学)の力が偉大だったなと実感しています。今は4人の3年生がスタートで試合に出ているのですが、昨年のようにディフェンスが良いわけでもないし、点も全然取れてなくて。ディフェンスもオフェンスも昨年と比べて力が足りていないのが現状です」

 チームの状況についてしっかりとした口調で語ったのは大阪薫英女学院高校(大阪府)のエースである都野七海(3年)。昨年のインターハイは準優勝、ウインターカップではベスト4という成績を残したチームにおいて、1年生の頃からスターターを担い、昨年は2年生ながらキャプテンも務めたガードだ。

 都野は、158センチとガードの中では決して高くはないが、高さのハンディを補って余りあるほどのスピードを持つ。加えて巧みなドリブルワークや技ありのフローターシュートなど、スキルも兼ね備えており、スピードを生かしたドライブからのシュートや3ポイントシュートなどで得点を量産する。ゲームをコントロールしながらも自らが積極的にシュートを狙う、点取屋でもあるのだ。

 4月1日に参加した「姫路イーグレッツカップ 高校招待女子バスケットボール大会」では、ケガから復帰したばかりということで出場時間に制限はあったものの、一度コートに立てば期待に違わぬ動きでチームをけん引。中でも競った場面など、勝負所での得点が光った。

「パワーは付いたと思うのですが、決定力をもっともっと上げていかないと、桜花学園高校(愛知県)や京都精華学園高校(京都府)には勝てないと思っています」と都野。「パワーもありつつ、スピードや決定力を昨年以上に磨いて全国で戦える選手になっていきたいです」と昨年敗れた2チームの名前を挙げながら今年の抱負を語った。

 最上級生になり、名実ともに引っ張っていく立場になったからこその悩みや迷いも今はある。「普段の生活から一人ひとりが考えることが、今はチームの課題になっています。その中で私が一番しっかり考えてチームのことを思って行動したり、指示を出したりしていかないといけないと思っています」(都野)

 ケガをしていたこともあり、現在は同じ3年生の熊谷のどかがキャプテンを担っているが、「熊谷にキャプテンを任せてしまっているのはすごく申し訳ないですが、キャプテンでなくても、キャプテンとして行動はできると思っています」とコメント。その言葉からはリーダーとしての強い意志を感じさせた。

 プレーでは、今年もマークが厳しくなることが予想されるが、「自分のやることを徹底してやる。昨年同様に点を取ることと、今年はディフェンスも頑張っていきたいです」と気を引き締め直す。

 1年生の頃から高校バスケ界を沸かせてきた都野も3年生。「すべてのことが『ラスト』になるので、支えてくれる人たちに恩返しがしたいという思いは昨年より増しています」と、多くの人たちの思いを背負いながら、日本一という目標に向けて、これからも邁進していく。

司令塔、そして点取り屋としてチームの屋台骨を支える存在だ [写真]=田島早苗

取材・文・写真=田島早苗

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