2022.06.20

インターハイ連覇を狙う中部大第一が危なげない戦いで東海大会覇者に

強気のプレーでチームに勢いをもたらした中部大第一の小田 [写真]=山田智子
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「第69回東海高等学校総合体育大会」が6月18、19日の期間で愛知県の一宮市総合体育館(いち信金アリーナ)にて開催された。

 初日に1、2回戦が行われ、その結果、準決勝へと勝ち上がったのはディフェンディングチャンピオンの中部大学第一高校に桜丘高校(いずれも愛知県)、そして富田高校、高山西(いずれも岐阜県)の4チーム。準決勝は『中部大第一 vs 富田』『桜丘 vs 高山西』と、2カードとも『愛知対岐阜』という対戦となった。

 その準決勝は、ともに愛知勢が岐阜勢に総合力で圧倒。中部大第一は、ゾーンディフェンスなどを仕掛ける富田に屈することなく、要所で速攻を繰り出し、前半から得点を重ねていく。後半も攻撃の手を緩めず、バックアップメンバーたちもタフに戦った中部大第一が、最後は86-59で勝利した。

準決勝では中部大第一に挑んだ岐阜代表の富田(写真は榎並) [写真]=山田智子


 また、2回戦では岐阜県1位の美濃加茂高校を倒して準決勝へと勝ち進んだ桜丘も岐阜県3位の高山西を相手に83ー57と26点差を付けて決勝進出。試合は、第1クォーターこそ僅か2点のリードであったものの、その後はジリジリとリードを広げていく展開に。後半も桜丘が内外とバランス良く攻撃を仕掛け、試合を優位に進めた。

静岡県1位の藤枝明誠を下してベスト4入りを果たした高山西(写真は間馬) [写真]=山田智子


 迎えた愛知県同士の対決となった決勝戦。インターハイ愛知県予選の決勝リーグでは中部大第一が87−45で勝利をしている。

 愛知県予選に続いて2度目の対戦となったこの試合は、出だしこそ互いに点を取り合ったものの、第1クォーター中盤からは中部大第一が速攻を立て続けに決めて2桁のリードを奪う。桜丘はアウトサイド陣の舘山洸騎、平寿哉(いずれも2年)、土屋来嵐(3年)らが積極的にシュートを放っていったが、先を行く中部大第一を捉えることができない。第2クォーター序盤には同点に追いついたシーンがあったものの、再び中部大第一に走られてしまい、24−41と前半を終えて大きなビハインドを負った。

桜丘は3年生の土屋を中心にインターハイでの飛躍を誓う [写真]=山田智子


 一方、豊富な運動量を武器に攻防において強さを発揮した中部大第一は、後半も確実に得点を重ね、終わってみれば87-46と快勝。昨年大会に続いて優勝を飾った。

「今年のチームは、昨年からの経験がある選手も多い。そこに留学生も含め、コンビネーションをいかに深められるか」(常田健コーチ)ということに重きを置いて大会に臨んだ中部大第一。また、「個人のスキルを上げていかないと全国では勝てない」ということから、今大会では1対1を主にして戦ったが、それに関しては、「合格点だと思います」と指揮官は一定の手応えを感じたようだった。

 対する準優勝となった桜丘は、チームを全国強豪校へと押し上げた江崎悟氏が3月に勇退。今年4月より教え子でもある水越悠太コーチがチームを引き継ぎ、新体制となって初の東海大会を迎えた。

「東海大会ではまずは決勝まで行こうということで臨みました。決勝まで進むことができたことに関しては選手たちをほめたいです」と水越コーチ。さらに「4月から就任し、ディフェンスを頑張ってきました。この大会を通じて(チームとして)成長させてもらったので、この経験をインターハイに向けて生かしていきたいです」と、夏の決戦に向けても気を引き締め直していた。

中部大第一は下山、坂本と、昨年のインターハイ優勝メンバーである3年生がチームを引っ張った [写真]=山田智子


取材・文=田島早苗
写真=山田智子

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