2022.06.21

九州大会女子は東海大福岡が初優勝!…熊本商業もIHへ向け価値ある3位

4年ぶりの出場となるインターハイへ向け、東海大福岡が九州大会初優勝を果たした [写真]=小沼克年
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

決勝は男女ともに“福岡対決”

 6月18日、19日の2日間にわたり、宮崎市総合体育館と早水体育文化センターで「令和4年度 全九州高等学校体育大会 第75回 全九州高等学校バスケットボール競技大会」が開催。全32チームによるトーナメントの決勝戦は男女ともに福岡勢同士の対決となり、女子は東海大学付属福岡高校(福岡県1位)が初優勝を飾った。

 今大会の女子ベスト4に残ったのは、東海大福岡と福岡大学附属若葉高校(同2位)に加え、熊本県1位の熊本商業高校、同県2位の慶進高校という顔ぶれ。準決勝では東海大福岡が85−61で熊本商業を、福岡大若葉は68−67の大接戦の末に慶進を破り決勝へとコマを進めた。

 迎えた決勝戦、東海大福岡は第1クォーターから30得点を積み上げて好スタートを切るも、198センチの高さを誇るファール・アミナタ(3年)が前半からファウルドラブルに陥り、3点ビハインドで試合を折り返す。第3クォーター終盤にはアミナタが4つ目のファウルを宣告されたが、この日は2年生ガードの浜口さくらが27得点、シックスマンの赤間静夏(3年)が15得点を挙げる活躍でチームをけん引。最後までもつれる展開の中、2点リード迎えた試合終了残り1分29秒には浜口が貴重な3ポイントシュートを沈めて勝利を大きく手繰り寄せた。

東海大福岡の浜口が決勝で27得点の活躍 [写真]=小沼克年


 東海大福岡は6月5日のインターハイ予選決勝と同様、福岡大若葉を僅差で撃破。最終スコア83−74で大会初優勝を達成した。

「初優勝を1つのテーマに子どもたちと頑張ってきました。それを達成できたとことは、インターハイに向けても弾みがつく大会になったと思います。留学生がいない時間帯でも戦えるチームになってきていると改めて実感しました」

 指揮を執る宮崎優介コーチは、日本人選手が奮起した自軍の戦いぶりを評価。4年ぶりの出場となるインターハイへ向けては、「スカウティングもされると思いますので、アミナタ頼みにならないようにしなければいけません。そういった意味ではまた違うスタイルを模索し、平面的な部分をしっかり鍛えていきたい」と口にし、さらなるチーム力向上をポイントに挙げた。

夏の全国へ、一定の手応えをつかんだ熊本商業

 決勝戦と同時刻に行われる予定だった女子の「シード決定戦」は、同県対決のため実施されなかった(次回の九州大会では熊本県1位と2位にシード権が与えられる)。そのため、準決勝が最終戦となったのは、東海大福岡と同じくインターハイへ出場する熊本商業。同校は170センチを超える選手がいない分、粘り強いディフェンスとスピードを武器とするチームだ。

「身長が小さいので、大きい相手に対してどうやって戦うかを毎日模索しています」と明かすのは、同校のOGでもある奥村美空コーチ。アミナタの高さに苦しみ、後半に点差を一気に広げられた東海大福岡戦については「やっぱりリバウンドやルーズボールの取りこぼしがリズムを崩してしまった要因だと思います」と振り返ったが、全国レベルの高さを肌で感じられたことは夏の全国大会へ向けても良い経験になったはずだ。

198センチのアミナタに対してチームで対抗した熊本商業 [写真]=小沼克年


 奥村コーチも「小さいなりにボックスアウトは徹底できましたし、ドライブも通用していました。外のシュート確率も悪かったわけではなかったので、そこをもっと高確率で決められれば全国でも戦えると思っています」と今大会での手応えを口にし、「大きい相手にも対等に戦っていかないと勝てないので、インターハイまでにそこをしっかりチームで整えてやっていきたいです」と意欲を示した。

 インターハイ本戦まで約1カ月。出場チームはこれから最終調整に入り、惜しくも予選で涙をのんだチームはリベンジの冬へ向けさらなる強化を図る。

取材・文・写真=小沼克年

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