2022.07.14

インターハイ女子注目校(2)柴田学園(青森)「目標は先輩たちが達成したベスト8を超えること」

エースの佐々木杏花(右から2人目)を中心にベスト8以上を目指す柴田学園 [写真]=小永吉陽子
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

 7月27日から8月1日にかけて香川県で行われる「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会(インターハイ)」。熱戦が期待される夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム(2)柴田学園(青森県)

 今年で青森7連覇を果たした柴田学園高校。スタメン平均身長は171.2センチと全体的な高さを持ち、チーム全員がリバウンドに跳びつき、ディフェンスの脚を止めずに走り続ける総合力の高いチームだ。6月に行われた「第77回東北高等学校男女選手権」では、全試合に快勝して念願の初優勝を遂げた。昨年のインターハイでは初のベスト8に名乗り上げ、今年も上位進出が期待されるチームだ。

 東北大会で初優勝を迎える瞬間に小野尚樹コーチは、「これで青森にウインターカップの枠を持ち帰れるぞ」と喜びを表現していた。今年の目標の一つとして「県で7連覇をしている役割として、東北ブロックで優勝して青森にウインターカップの出場権を一枠増やす」ことを目指していたのだ。この2年、大会が中止になって悔しい思いをした先輩たちの思いを背負って達成した初の東北制覇は、チームに自信を植えつけたに違いない。

 チームの中心となるのは、昨年のインターハイベスト8を経験した3年生ツインタワーの佐々木杏花(178センチ)と秋谷詩(175センチ)。高さを生かしてリバウンドで貢献し、内外角から得点を狙うスタイルでチームに活力を与えている。中でもU17ワールドカップ代表に選出された佐々木はシュートレンジを広げており、準決勝の山形中央戦では3ポイントを5本中4本成功させる確率の良さを見せた。また172センチの長身ポイントガードを務める石田侑真が確実にチームをリードし、小野コーチが「3年になって自覚が出てきた」という蒔苗結衣(164センチ)は準決勝と決勝で2桁得点をマーク。各ポジションにバランスのいい布陣が揃っていることも柴田学園の武器である。

172センチの司令塔、石田侑真がゲームをリードする [写真]=小永吉陽子


 柴田学園は男子の奮闘も目立つ。共学化とともにチームを創部して4年目。今年は東北大会初出場を果たし、ベスト4に進出。小野コーチは男子部も兼任して指導しているが、東北大会では試合が続くために、男子は芹川拓人コーチが采配を振るい、小野コーチはコーチングスタッフとしてベンチで支えている。急成長中の男子と切磋琢磨しながら練習しているところも、柴田学園の強みと言えるだろう。

 小野コーチは選手時代、弘前実業高校から拓殖大学に進み、インカレ制覇を経験している。今度はコーチとしても「ベスト8のその先へ」導きたい目標があるという。

「今年のチームは全員でよく走り、最後まで集中を切らさないチームへと成長しています。今年は昨年のインターハイベスト8より、もう一つ上に行こうと選手たちは目標を高く持っています。私自身は選手時代にベスト8の先を経験していますが、コーチとしてはまだベスト4に行ったことがないので、選手たちと一緒に汗を流しながら頑張りたいと思います」

文・写真=小永吉陽子

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