7月27日から8月1日にかけて香川県で行われる「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会（インターハイ）」。熱戦が期待される夏の祭典の開幕を前に、バスケットボールキングでは大会で見るべき注目のチームをピックアップした。

■女子注目チーム（3）札幌山の手（北海道）

　札幌山の手高校（北海道）といえば、ワシントン・ミスティックスの一員としてWNBAに参戦中の町田瑠唯や長岡萌映子（ＥＮＥＯＳサンフラワーズ）、東藤なな子（トヨタ紡織サンシャインラビッツ）と東京オリンピックの銀メダリストの出身校でも知られている強豪校。町田が高校3年生の2010年には、インターハイ、国民体育大会、ウインターカップの3大会を制し、『3冠獲得』を達成している。

　北海道予選を大差で勝ち抜き、今年の「令和4年度全国高等学校総合体育大会バスケットボール競技大会」（以下インターハイ）にも出場する札幌山の手は、その2010年以来となる夏の全国制覇を目指すこととなる。

　チームの中心は、ガードからセンターまで何でもこなす森岡ほのか（3年）。1年生のときからスターターに名を連ねたオールラウンダーで、攻防において、あらゆる面で柱となる。下級生の頃から大きな存在感を放っており、今大会でも活躍が期待される選手だ。

　だが、その森岡も173センチと、今年のチームは主力に大型プレーヤーが不在。そのため全国大会では「特に大きい選手への守り。ディフェンスをいかにできるかが課題となってくると思います」と上島正光コーチは言う。

　しかし、森岡をはじめ、175センチ前後の選手がそろい、その選手たちが3ポイントシュートからインサイドプレーまでオールラウンドに動くことができるのは強みともいえる。速攻やチーム伝統のリバウンドにも全員が果敢に絡み、脚力を生かしたプレーから勝機をつかんでいる。

　一方で、全国大会などのキャリアが浅い選手も多く、プレーの荒さや簡単なミスを犯してしまうことも。

　インターハイの札幌地区予選や北海道予選が行われた6月の時点では、主軸のメンバーに下級生を積極的に起用。「いろいろなことを試している最中で、（スターターのメンバーが）固まってくるのはインターハイ予選が終わってからになると思います」と上島コーチはチームの状況を語った。

　安定したチーム力が付いてくるのはまだこれからといったところだが、それでも、今年に入って大山瑚南菜、谷口憂花ら2年生たちが台頭。下級生の伸び代も含め、秘めるポテンシャルは高い。

オールラウンドなプレーを見せる2年生の大山 [写真]＝田島早苗

文・写真＝田島早苗