2022.12.20

【ウインターカップ2022注目校】大阪薫英女学院(大阪)「近いようで遠いあと1勝へ、“一刻一秒命を張れ!”」

念願のウインターカップ優勝を目指す大阪薫英女学院 [写真]=伊藤大允
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 インターハイでは2年連続で準優勝の成績を収めている大阪薫英女学院高校(大阪府)。今年で5年連続35回目の出場となるウインターカップではベスト4に過去6回進出し、そのうちの3回は決勝進出を果たしている。だが、冬の大舞台では未だ日本一に届いておらず、現在のメンバーも全国2位が最高成績。近いようで遠い“あと1勝”を、今年こそつかみ取ることができるか。

 激しいディフェンスからの速い攻撃を最大の武器に、40分間走り続けるのが今年の大阪薫英女学院のバスケットだ。チームで最も注目すべき選手は、背番号4を背負う都野七海(3年)。1年生の頃から先発としてコートに立ってきた158センチのポイントガードは、昨年は2年生ながらキャプテンに抜擢。サウスポーから繰り出される変幻自在のドリブル、パス、シュートで攻撃の中心を担い、勝負強さもある。今年はU18日本代表にも選出され、最後の冬はより厳しいマークに遭うことが予想される。

 都野が警戒されたときに存在感を放つのは、ガードコンビを組む熊谷のどか(3年)。「すごく頭が良くて都野よりも周りが見える」と安藤香織コーチが評価するように、熊谷は冷静なプレーでチームに安定感をもたらす。そのうえで“行くときは行く”選手であり、最も得意とする3ポイントシュートはラインから多少離れた位置からでもリングに吸い込まれる。今夏のインターハイを例に挙げれば、1試合で7本の3ポイントを突き刺した試合もあった。今年は熊谷がチームキャプテン、都野がゲームキャプテンという形でチームをまとめているだけに、両選手が日本一獲得のためのキーマンだと言える。

 そのほかにはインサイドでチームを支える仲江穂果、持ち味のドライブで勢いを与える細川未菜弥(ともに3年)、リバウンド力に優れた島袋椛(2年)がスタメンを担うことが濃厚。京都精華学園高校(京都府)と対戦した今年のインターハイ決勝では、都野がファウルトラブルでベンチへ下がった途端に大きく差をつけられてしまった。それに加え、ウインターカップでは各チームが完成度を高めて臨んでくる。選手一人ひとりが夏からどれだけレベルアップしているかもポイントであり、冬はバックアップメンバーの中心を担う双子の木本桜子・桃子(ともに2年)の活躍にも期待したい。

 全国では必ずと言っていいほど高さの面で不利になる大阪薫英女学院にとって、一つひとつのシュートの質、ルーズボールやリバウンドをどれだけ自分たちのものにできるかが最も重要になってくる。安藤コーチが「高さでやられる部分はありますけど、やっぱり(得点で)やり返してほしいです」と言えば、都野も「リバウンドはしっかり取り切らないといけないですし、取られたとしても自分たちの得点で取り返さないといけない」と述べ、こう続ける。

「自分たちでやるべきことを徹底してやるしかないと思うので、しっかり意識してやっていきたい。相手に留学生がいたとしてもリングにアタックするオフェンス力や、ディフェンスでももっと5人で徹底して守れるような粘りのあるチームにしてきたいです」

 今大会は、昨年と同様に第2シードから日本一を目指す。同じブロックにはインターハイでベスト4に残った八雲学園高校(東京都)とベスト8の柴田学園大学附属柴田学園高校(青森県)、さらには「U18日清食品トップリーグ」で敗れた岐阜女子高校(岐阜県)などがひしめき合い、決して一筋縄ではいかないだろう。自分たちのバスケットを貫き通すために大事なことは、横断幕に刻まれている。

『奮斗また奮斗 一刻一秒命を張れ!』

文=小沼克年
写真=伊藤大允

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