2022.12.20

【ウインターカップ2022注目選手】都野七海(大阪薫英女学院)「2大会連続の無念を晴らし、日本一のガードになれるか」

高校最後の大会で頂点を目指す大阪薫英の都野 [写真]=伊藤大允
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 昨年のウインターカップ準決勝、大阪薫英女学院高校(大坂府)は京都精華学園高校(京都府)に敗れベスト4で涙をのんだ。最終スコアは80-86。あと一歩及ばなかったこの試合で、都野七海(3年)はファウルトラブルに陥った。第1クォーターで2つの反則を犯すと、第2クォーターに3つ目のファウルを宣告されてベンチへ。不動のポイントガードかつ得点源としてチームを引っ張る立場としては、悔やまれる内容だった。

「ファウルしてはいけないことは分かっていたんですけど、『(追いかける展開で)ボールを取らなきゃ』という思いが強くなってしまっていました。コートを出ざるを得ない状況になってしまったことは後悔しています」

 2年連続で決勝まで勝ち上がった今夏のインターハイでも、都野はファウルトラブルに陥った。相手はまたしても京都精華学園。高さの部分で圧倒的不利な状況ながらも、大阪薫英女学院は前半を4点ビハインドで終えた。しかし、第3クォーター序盤で都野が4つ目のファウルを取られコートを去ると、そこから京都精華学園に一気にペースを握られてしまい、同クォーターのスコアは10-32。この結果が大きく響き、準優勝で大会を終えた。

「去年の冬と同じようにファウルドラブルになってしまいました。チームを勝たせないといけない自分が40分間コートに立てないことをしてしまったので悔しいです。いらないファウルをしないように意識はしていたんですけど、『ボールを取らなきゃ』とか『取れるな』と思ってしまって……」

 現在の大阪薫英女学院は、都野七海のチームと言っていいだろう。もちろん周りにも優れた選手はいる。けれど都野は1年生のころからプレータイムを勝ち取り、2年生ながら昨年からキャプテンを任され、今年はチームで唯一U18の日本代表にも選ばれた。悲願の日本一に輝くためには、誰よりも多くの経験を積んできた彼女の力が必要であり、勝負どころでは絶対にコートにいなければならない。

 158センチの身長を補って余りあるバスケットセンスとでスキルで溢れる都野の魅力は、世代屈指のオフェンス力。なかでも磨き上げたハンドリングとフローターシュートは必見であり、今年のウインターカップでも持ち前の得点力を発揮してくれるに違いない。入学当時から抱いている夢は「日本一」。大阪薫英の一員としてそれに挑戦できるのも、いよいよ残り1回となった。都野が最後までコートに立ち続けることができれば、ウインターカップにまた新たな歴史が刻まれるだろう。

文=小沼克年

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