2023.02.23

全国大会連覇へ向けて始動…京都精華学園の堀内桜花と八木悠香

中学時代から京都精華学園を引っ張る堀内と八木 [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 1年生の頃からスターターを担い、2年生となった昨年はインターハイ、ウインターカップと2大会で初優勝に貢献した京都精華学園高校(京都府)の堀内桜花と八木悠香。最上級生となる今年は、全国大会2連覇へのカギを握る選手たちとして、さらに注目を浴びている。

 2月19、20日に行われた「第33回近畿高等学校バスケットボール新人大会」は新チームになって最初の大きな大会。この大会で京都精華学園は、堀内、八木に加えてセンターのディマロ ジェシカ ワリエビモ エレ(2年)を中心に圧倒的な強さを見せる。決勝でも全国大会でしのぎを削るライバルの大阪薫英女学院高校(大阪府)を相手に35点差を付けて勝利。近畿新人では初となる優勝を達成した。

華麗なプレーは健在。新キャプテンとなった司令塔の堀内桜花

「(コーチの)指示を徹底できている時間帯とできてない時間帯があったので、1試合を通してやるべきことを徹底することで、今後は失点も少なくなると思います」

 優勝にも近畿新人の4試合を戦って見えてきた課題を的確に語ったのは、新チームではキャプテンを務める堀内。キャプテンは京都精華学園中学校のときにも担っていたが、「去年の(全国大会)2冠は、3年生たちが引っ張ってくれたおかげ。それを受け継いでいかないといけないという思いがあります」と、気を引き締める。また、「声を出すこともそうですが、先生から言われたことを一番に理解して、それをチームに浸透させていくこと」も意識していると語った。

 近畿新人では、これまでと同様に華麗なパスから仲間のシュートを演出。加えて、ディフェンスや昨年のウインターカップでも見せたように、オフェンスリバウンドにも果敢に飛び込むなど、あらゆる面でチームの柱として奮闘した。

 さらに、大会前には3ポイントシュートの確率がチーム全体として低かったことから、ポイントガードとして今大会ではシューターがノーマークでシュートを打てるようなパスを考えていたという堀内。それでも、「決勝のように自分に対して(相手ディフェンスが)プレッシャーをかけてきたときは自分自身が攻めやすくなるので、パスだけでなく、自分がシュートを打てるときは狙っていきたいです」と、コメント。仲間の良さを生かしながらも、自分自身の得点力を生かすプレーのバランスも今以上に必要だと感じたようだった。

近畿新人でも好アシストを披露した堀内 [写真]=田島早苗

献身的なプレーが持ち味の八木悠香はオールラウンドな攻めを目指す

 一方、副キャプテンとして堀内を支えながらプレーでも大きな存在感を放ったのが八木だ。

「京都府予選の決勝ではチーム全体で3ポイントシュートが入らずに苦しい展開になったのですが、(近畿新人では)要所で3ポイントシュートが入ったので良かったと思います」

 こう大会を振り返った八木もまた、堀内と同じくチームを引っ張る覚悟を決めている。

「今までは3年生たちがいる中で試合に出させてもらい、下級生として『自分できることやろう』と思っていました。だけど、一番上になってからは、もっと自分が副キャプテンとして、プレーでもプレー以外でもチームを引っ張っていかないといけないと思っています」

 八木は体の強さに定評があり、ドライブやリバウンドなどから相手ディフェンスとの接触もいとわずにシュートをねじ込むポイントゲッター。献身的なプレーでこれまでも苦しい場面で幾度となくチームの窮地を救ってきた。

 中学時代から一緒にプレーをする堀内やジェシカらとは近畿新人でも息のあった動きを披露しており、中でもジェシカへの絶妙なパスなど、アシスト面でも大きく貢献した。

「新チームになって日が経っていないので、プレーで合わないところもあるけれど、そこはコミュニケーション取りながらチームがいい状態になるように心掛けています」という八木。自身については「3ポイントシュートがないと思われているので、もっと外回りのシュートを打って、打つだけでなく決めていきたいです」と、プレーの幅を広げることにも意欲的だ。

 チームは本格的に始動したばかり。全国優勝の味を知る堀内と八木がリーダーとなって新たな挑戦へと向かう京都精華学園が、どのような進化を遂げていくのか、これからも目が離せない。

走力を兼ね備える得点源の八木 [写真]=田島早苗


写真・取材・文=田島早苗

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