東京Aをけん引するテーブス流河、「超えたい思いしかない」兄にも負けない攻撃力を発揮

NCAAディビジョン1で活躍するテーブス海を兄に持つテーブス流河 [写真]=田島早苗

「得意としているドリブルで崩してからのジャンプシュートは結構できたと思います」

「第32回都道府県対抗ジュニアバスケットボール大会2019」の初日、予選リーグを2試合ともに快勝した東京Aのテーブス流河は、自身のことについて聞かれると、こう振り返った。

 巧みなドリブルワークで相手ディフェンスを翻ろうすると、そこから一気に鋭いドライブでリングに向かう。かと思えば、ディフェンスの虚を突くようなストップで間合いを作ってのジャンプシュート、さらには的確なパスなど抜群の攻撃力を披露したテーブス。その思いきりのいい攻めはチームに勢いをもたらしていた。

 テーブスが通う実践学園中学校(東京)は、昨年夏に行われた「平成30年度全国中学校体育大会 第48回全国中学校バスケットボール大会」にて優勝。だがこの時、テーブスはメンバー入りこそしていたものの、試合出場の機会は予選ラウンドのみと、個人としては悔しい思いもしていた。

 それだけに、その悔しさをバネに、新チームでは主力を担い、今大会でも東京Aの中心選手として奮闘。昨年から「プレータイムがものすごく伸びた」ため、ここまで体力面の強化を図ってきたという。そのため、今後の課題も「スキルと体力の向上」と語る。

ディフェンスでもタフな動きを見せた [写真]=田島早苗

 富士通 レッドウェーブ(Wリーグ)のヘッドコーチであるBT テーブス氏を父に持ち、父からは「試合への臨み方」をアドバイスされるというテーブス。小学校を卒業してから15センチ近く伸びたという身長は現在174センチに。そんな彼には「超えたい思いしかない」という選手がいる。それが兄のテーブス海だ。現在、NCAAディビジョン1のノースカロライナ大学ウィルミントン校でポイントガードとして活躍している兄は、憧れでもあり、ライバルでもある存在。練習している時でも兄のことは常に頭の中にあるそうだ。

現在はアメリカを舞台に活躍するテーブス海 [写真]=Getty Images

 兄の海は6年前にジュニアオールスターに出場しており、その時は兵庫県代表としてベスト8入りに貢献。それだけでなく、「テーブス海」という名をしっかりと全国に知らしめた。

 兄を超えたいと思う弟、流河。今大会では海が達成できなかったベスト4、そして優勝へとチームを導けるか。

 大会2日目は決勝トーナメント1、2回戦が行われる。攻防において「激しさ」がチームの強みとテーブスが言う東京Aは、1回戦で三重県と対戦。テーブス自身は優勝を視野に入れながらも、「明日もまた2勝して、ベスト4を目指したいです」と、堅実かつ力強く、抱負を語っていた。

文=田島早苗

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