2021.01.08

【Jr.ウインターカップ2020-21】今大会を席巻した川島悠翔…ポテンシャルはまさに『無限』

将来が嘱望されるNLG INFINITYの川島悠翔 [写真提供]=日本バスケットボール協会
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

「2020年度 第1回 全国U15バスケットボール選手権大会(Jr.ウインターカップ2020-21)」が1月7日、4日間の日程を終え、無事終了した。部活動、クラブ、そしてBリーグのユースというカテゴリーの違うチームが覇を競った今大会は、U15世代の新たな全国大会として、記念すべき第1回を終えたことになる。ここでは大会を通じて大きなインパクトを与えた選手を紹介したい。

 それはNLG INFINITYの川島悠翔だ。

 登録では身長は195センチとなっているが、時にはそれよりも小さく、反対に大きくも見えることがある。それはなぜかと言えば、このサイズの持ち主であるにもかかわらず、身体能力とバスケスキルの高さを持っているからだろう。クラブの堀田享代表や舘野拓也コーチの指導のもと、ビッグオールラウンダーが育まれた。ちなみにまだ身長は伸びており、本人に聞くと「197か8」とのこと。

 取材に対して川島は「『お前はドリブルもできるからアウトサイドのプレーもしなさい』と教わってきました。とても良いコーチに恵まれたと思います」とはっきりと答えている。

 当然、ゴール下での存在感は抜群だ。味方の放ったシュートのリバウンドをことごとく拾うリバウンド、そして敵が放ったシュートを叩き落すブロックショットは中学生の域を脱している。それだけにリング付近ではより大きく見えるのだろう。

 一方、川島の特徴はアウトサイドにもある。力強いドライブからのパワーレイアップはスピード、パワーとも申し分ない。何より柔らかな身のこなしができるがゆえに、195センチも身長があるように見えないプレーをするので、本来のサイズよりも小さく感じてしまうのだろう。さらにディフェンスが距離を取れば3ポイントシュートも軽々と打てるので、これを中学生が守るのは至難の業だ。

 川島は決勝までの5試合で131得点(平均26.2点)、リバウンド95本(平均19.0本)、ブロックショットは14本(平均2.8本)をマーク。ちなみにリバウンドトとブロックショットは出場選手中、1位の記録となる。

全国大会のコートでダンクを叩き込んだ [写真提供]=日本バスケットボール協会


 しかし、川島の魅力はそのバスケスキルよりもスマートな受け答えにあるのかもしれない。取材での質問に対して的確に要点をついた回答が返ってくる。しかも、それが真摯な態度での受け答えであり、物腰も口調も非常に丁寧だ。

 物事を俯瞰で見ることができ、セルフィッシュな面もない。だからこそ、これまでも様々なプレーを身につけてきた。さらに高いレベルのバスケを吸収するだけの素地が備わっていると言えるだろう。

 決勝戦では第3クォーターに足がつってしまい、ベンチ裏で治療を受けることになってしまった。その時感じたのは優勝した秋田市立城南中学に向かっていくチームメートの成長だった。

「本当に最高のプレーをしていたと思います。自分の分まで気にかけてくれたり、コート内では全力で勝ちに行こうとしていたのでとても良かったと思います」

 残念ながら頂点を極めることはできなかった。しかし、その悔しさを成長の糧にできるはずだ。

「自分にはまだ上がいて、敵わない部分もあったので、そういうところを上回れるように今後練習をハードにしていきたいと思います」

 4月になれば活動の場を高校に移す。そこではまず、「自分の持ち味は鋭いドライブと高いフィニッシュの打点だと思うので、そういうところを生かして3番でプレーしたいと思います。でもそれをやるには3ポイントシュートもしっかりと精度を上げていかないと思っているので、そこを今後練習していきたいです」と青写真を描く。

 そんな川島に好きな選手を聞いた。

レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)選手が一番好きです。誰も寄せ付けない力強いプレーや柔らかいシュートタッチ、そして何よりも自信に満ち溢れたプレーぶりががとても好きです」

 川島は所属する「NLG INFINITY」は元々「無限 NO LIMIT GUNMA」というチーム名だった。大会前に名称を変更したのだがユニフォームの胸には「無限」が残った。まさに川島の未来を象徴している2文字だ。“NO LIMIT”――無限の可能性を秘めて、これからも大きく成長してほしい。

文=入江美紀雄