2022.01.08

2大会連続のベスト4へと導いた大黒柱のオサトアリシア藍依(J,sphere)

昨年からスターターを務め2大会連続のベスト4入りに貢献したオサトアリシア藍依 [写真]=バスケットボールキング
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 1月7日、「Jr.ウインターカップ2021-22 2021年度 第2回全国U15バスケットボール選手権大会」(以下、Jr.ウインターカップ)の男女準決勝が行われた。

 2大会連続で準決勝へと勝ち進んだ愛知県代表のJ,sphereは、その準決勝で前回覇者の四日市メリノール学院中学校(三重県)と対戦。決勝進出を目指したが、序盤からビハインドを追う展開となると、四日市メリノール学院の激しいディフェンスに攻めあぐね、36-71で敗れた。

「昨年の3位より上に行こうと目標を決めて、みんなで高め合ってやってきたので、負けて悔しいです……」

 試合後、こう感想を語ったのはオサトアリシア藍依(3年)。179センチの高さと体の強さを生かして主にポストプレーで得点を挙げるエースだ。今大会では、2回戦で24得点16リバウンド、3回戦では28得点15リバウンド、そして準々決勝では24得点15リバウンドと、期待通りの活躍を見せていた。

 だが、準決勝では四日市メリノール学院の執拗なディフェンスの前に思うように攻めることができず。特に、ダブルチームに遭ったことで、自身のシュート回数が減ってしまった。

「(パスが入ってからダブルチームに来る)少しの間を使ってドライブやポストプレーをするようにという指示だったのですが、それをすることができなかったので、もっと考えてやればよかったと思います」とオサトアリシアは反省の弁。だが、四日市メリノール学院のダブルチームの精度は非常に高く、それでもボールをなくさずに、的確にパスはさばいていたことは、流石ともいえた。本人も、「普段から練習試合などで、ダブルチームでディフェンス寄ってくるので、『こう来たらこうパスをする』といったことはある程度理解してやっています。それに、前まではダブルチームに来られると自分のプレーができなくなっていたのですが、少しずつ自信がついて、強気で攻めれば得点につながるとも思っています」と語る。

 準決勝でも、少ないチャンスをしっかりとものにして12得点9リバウンド3ブロックショットを記録。自身のプレーをさせてもらえない中でも献身的な動きでチームを支えた。
 
「自分より大きい相手にどう工夫をしてシュート決めるかというのは考えさせられましたし、勉強になりました」と、大会の感想を語ったオサトアリシア。

 J,sphereには中学1年生の頃から加入し、「下手だったのに、ここまで成長させてもらいました。メンタルが弱いと言われていて、まだ弱いのですが、1年生の頃よりは、考え方を変えることができたと思います」と、自身のここまでとコーチ陣への感謝の言葉を口にした。

 取材中、悔しさからか幾度となく言葉を詰まらせたが、今後について話しを向けると「スピードで切り裂いていき、リバンドもしっかり取る。フィジカルの強さで大きい選手にも対抗できるようにガツガツ攻めて行きたいです。まだ日本にいないような選手になりたいです」と力強くコメント。

 潤んだその目は、しっかりと前を見ていた。

「絶対にあきらめないというのは、このチームの一番いいところ」とオサトアリシア [写真]=バスケットボールキング


文=田島早苗

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