2022.08.28

決勝ではダブルダブルの活躍を見せた四日市メリノール学院の司令塔・濱田ななの

決勝では18得点11アシストをマークした濱田 [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 今年の1月に行われ、当時は2年生で出場した「Jr.ウインターカップ2021-22」でも、スターターとして優勝に貢献した四日市メリノール学院中学(三重県)の濱田ななの(3年)。最上級生となって迎えた「第52回全国中学校大会」では、司令塔として落ち着いた試合運びや積極的な攻めなど、持てる力をいかんなく発揮し、チームを連覇へと導いた。

「ドライブを積極的に行くことができました」と、自身が言うように、大会ではスピードに乗ったドライブでディフェンスを翻弄。瞬発力があり、一瞬の隙からディフェンスを抜き去ってのシュートは鮮やかだった。

 決勝では試合終盤までもつれる展開となったが、「負ける気はしなかったです。『大丈夫だ』という気持ちがずっとありました」と濱田。その理由を「今までみんなで練習をしてきたんだから大丈夫だという思いもあったし、(稲垣)愛コーチから、『ディフェンス』とか『気持ちだよ』と声を掛けてもらい、それで大丈夫だと思うことができました」と、語ってくれた。

 今年の四日市メリノールは、ディフェンスが最大の武器。「ディフェンスは練習から意識してきたし、一線であまり抜かれなくなったと思います」と、濱田もここまでの取り組みには成果を感じているよう。また、ガードとしても、「1、2年生のときと比べて、みんなが調子よく、気持ちよくプレーできるように声掛けを頑張りました」と言う。

「自分の調子上がらないときもあったのですが、みんなが支えてくれて優勝できました」と大会を振り返った濱田。

 試合ではどちらかと言えばポーカーフェイス。そんな司令塔に稲垣コーチは「それまではアシストが少なかったけれど、決勝は多かったので、少し成長したかなと思います」と、評した。それと同時に、「チームを鼓舞するような声掛けができると、もうワンランク上の選手になれるのかなと思います」とも期待を寄せた。

「この大会ではミスが多かったので、まずはミスをなくしていくこと。それと、ディフェンスでも、疲れたときにこそアグレッシブにできるようにしていきたいです」と、濱田は今後の課題を語る。優勝にもおごることなく、先を見据えた四日市メリノールが誇る司令塔。次に目指すのは、ジュニアウインターカップでの3連覇だ。

濱田はスピードに乗ったドライブが持ち味 [写真]=田島早苗


取材・文・写真=田島早苗

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