2023.01.06

Jr.ウインターカップでの勝利を目指して…発足3年目、Kochi Crazy Diamondの現在地

1回戦で24得点を挙げた山田仁大[写真]=バスケットボールキング
元バスケットボールキング編集部。主に国内バスケ(Bリーグ、高校・大学バスケ)を中心に取材活動中。バスケでオウンゴールしたことあります。

 2020年4月に発足したKochi Crazy Diamondは、高知県初となるU15のクラブチームだ。指揮を執る山田龍成ヘッドコーチは、立ち上げに至った経緯を次のように話す。

「今まで高知県にクラブチームがなかったので、誰かが作らないと他県に置いてきぼりになってしまうこと、高知県を盛り上げてバスケットのレベル上げていきたいという思いで立ち上がりました。あとは、せっかく中学校の部活に入ったけど指導者や先輩との反りが合わないなど、いろんな原因で部活動を続けることが難しい子どもたちもいるじゃないですか。そういった子たちの受け皿にもなって、バスケをする機会を与えていきたいなと思いました」

 今年で3回目を迎えたJr.ウインターカップには2年連続の出場。チームが誕生した当時は1年生だった選手たちが3年生となり、「1つの集大成」(山田HC)と位置づけて臨んだ「Jr.ウインターカップ2022-23 2022年度 第3回全国U15バスケットボール選手権大会」だったが、1回戦で鹿児島レブナイズU15(鹿児島県)に敗れた。最終スコアは54-61。Kochi Crazy Diamondは最後まで接戦を演じたが、昨年に続き大会初日でJr.ウインターカップを終えた。

 全国レベルになれば、「高さや技術、フィジカルで劣るということは百も承知」と山田HCが口にする現在のチームは、シュートチャンスがあれば思い切ってリングを狙い、ディフェンスでは泥臭く足を動かし続けて相手を苦しめる。しかし、この試合では「決して良い出来ではなかった」と指揮官が振り返ったように、シュート精度が振るわず。キャプテンの山田仁大(3年)が24得点の活躍を見せるも、チーム全体の3ポイントシュート確率は21.9パーセント、2ポイントに至っては25パーセントと、ことごとくボールがリングを弾いた。

 3ポイントが15本中2本の成功に留まったのは篠田凪斗。1年生で先発を担う同選手は、151センチという身長のハンデを持ち前のシュート力で補ってきた。だが、今回の鹿児島戦では本来の力を発揮できず、試合後は「僕は将来プロ選手を目指しているので、もっと努力して来年は全国でも勝って、自分の目標に近づけるように頑張っていきたいです」と目を潤ませ、さらなる飛躍を誓った。

シュートタッチに苦しんだ篠田だが、今後へ向けての貴重な経験を積んだ[写真]=バスケットボールキング

「やはり、今までやってきたことをこの舞台でどれだけ出せるか。それに尽きます」。2度のJr.ウインターカップを経験し、山田HCは大舞台で1勝をつかむためのポイントを改めて実感した。またも勝利はお預けとなってしまったが、今大会のロスターには9名の1、2年生が名を連ねた。来年、Kochi Crazy Diamondは再び全国の舞台へ戻り、次こそはチームの歴史に新たな1ページを加えるはずだ。

文=小沼克年

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