2月6日、味の素ナショナルトレーニングセンターにて、バスケットボール男子日本代表チーム『FIBAバスケットボールワールドカップ アジア地区 1次予選』の第14次強化合宿がメディアに公開された。
1月に熊本で開催された第12次強化合宿に参加した22人から、18人に候補を絞って開催された今合宿。2月22日に横浜国際プールで開催されるチャイニーズ・タイペイ戦に向けて、選手たちは精力的にメニューに取り組んでいた。
昨年6月の東アジア選手権準決勝では73-78で惜敗を喫した相手。フリオ・ラマスヘッドコーチは相手の得点源のクインシー・デイビスと周儀翔を意識したディフェンスとリバウンド、そしてチャイニーズ・タイペイが得意とする3-2ゾーンの攻略に重点を置いて今合宿の指導にあたっている。この日もボックスアウトのドリルが組み込まれ、佐古賢一アシスタントコーチが「今度のゲームで間違いなく一番大切なのはリバウンド。半身でコンタクトし続け、ルーズボールでもコンタクトしよう」と選手たちに声をかけていた。
第14次合宿は、永吉佑也(京都)がケガのために不参加。メディアに公開されたこの日の午前の練習も、富樫勇樹(千葉)、辻直人(川崎)、馬場雄大(A東京)、平岩玄(東海大2年)がケガのため別メニューで調整にあたっていた。
ケガ人が続出している現状は、大一番のチャイニーズ・タイペイ戦ま3週間を切ったチームにとっては大きな痛手だ。しかしラマスHCは「困難な状況でもそれを乗り越えなければならない。故障者には、戦術やセオリーに関する知識を与えたい」とコメント。11月のオーストラリア戦で主力を務めた富樫は、1月1日に負った左大腿四頭筋挫傷のケガでゲームから長く遠ざかっている状態だが、ケガの治療と同時並行しながら筋力を取り戻すトレーニングを開始。本番に向けて必死の調整を続けている。
そのチャイニーズ・タイペイ戦から間髪置くことなく、3日後にフィリピンでアウェーゲームを戦うという過酷な日程だが、この2試合を落とせばワールドカップ出場だけでなく東京五輪出場も非常に厳しい状況となる。エースの比江島慎は「絶対負けられない試合だということはみんな意識している。デービスのリバウンドを抑えれば勝てると思っているけれど、相手はあくまで格上。離されたら絶対追いつけないので最初から飛ばしていきたい」と意気込みを語った。
文=青木美帆