2019.02.13

W杯予選最終Windowに臨む男子日本代表が練習を公開。ラマスHCが勝利を決意

W杯予選の最終Windowに臨む男子日本代表が練習を公開
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

6連勝中の男子代表、W杯アジア予選は最終Windowを迎える

選手たちはリラックスしながらも集中した表情で練習を行っていた

 2月12日、「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019 アジア地区 2次予選(Window6)」に向けて準備を進める男子日本代表が報道陣に練習の模様を公開、その後、メディア対応を行った。アジア予選は今回で最終Windowを迎えることになる。

 今夏、中国で開催されるワールドカップ出場に向けた長い道のりもこの2試合ですべてが決する。一昨年の11月に始まったアジア予選では4連敗を喫して、最悪なスタートを切ってしまった。しかし、その後、帰化が認可されたニック・ファジーカス川崎ブレイブサンダース)の代表入り、さらにはアメリカで活躍する渡邊雄太(メンフィス・グリズリーズ)と八村塁(ゴンザガ大学)が代表のユニフォームをまとってコートに立つと、男子日本代表は輝きを取り戻していった。

 昨年の6月29日には千葉ポートアリーナでオーストラリアを相手に初勝利をあげると、7月2日、チャイニーズ・タイペイとのアウェー戦に勝利して1次予選を突破。2次予選に入っても、カザフスタンに2勝、イラン、カタールにもそれぞれ勝利して実に6連勝を果たし、ワールドカップ出場への道を切り開く。アジア・オセアニアのワールドカップ出場枠は7つの国と地域。現在F組3位の日本は、Window6でイラン、カタールに勝利すれば自力で出場権を手に入れることができるところまできたのだ。

 この公開練習には過去最高とも言える30の報道各社が取材に入った。テレビ局、新聞などの報道陣がコートを囲む中、練習はいつものようにスムーズに進んでいく。その前半と後半、それぞれ約30分ずつの公開となったが、選手はリラックスした表情の中にも、集中した面持ちでメニューをこなしているのが印象的だった。また、フリオ・ラマスヘッドコーチがウォーミングアップするファジーカスに声をかけたりと、コミュニケーションを取り合うシーンも幾度となく見られた。

ファンへの感謝を忘れなかったラマスHC。「だからこそいい結果を残したい」

イラン戦のカギを「ターンオーバーを減らすこと。相手のオフェンスリバウンドを9本以内に抑える」ことと語ったラマスHC

 練習後、報道陣の前に立ったラマスHCは「チームはいい状況だ、ここまでチームで戦ってきて、あと一歩のところまできている。いい準備をして、コートですべてを出し切る。後悔を残さないようにしたい」と、自信に満ちた表情を見せた。前回のイラン戦では渡邊、八村がコートに立ったが、イランは主力が来日せず万全の状況と言えなかった。しかし、その渡邊、八村抜きの日本に対し、今回はイランのホーム、テヘランで対戦。ワールドカップの出場権をまだ獲得していないイランだけに、全力を挙げて立ち向かってくることは容易に想像できる。

「厳しい戦いになるだろう。イランのホームでの試合であり、ほぼ完全なメンバーで臨んでくるはずだ。身長の高い選手をそろえてくる。それだけに完璧な内容が求められる」と警戒を深める。イランは高さを活かしたリバウンドからの速攻を得意としている。「それだけにターンオーバーはできるだけ抑えて速攻に備えたい。また、相手にオフェンスリバウンドからのセカンドチャンスを与えないことも大切。オフェンスリバウンドを9本以内に抑えたいし、失点も70点にとどめたい」とゲームプランにも言及した。

 さらにラマスHCはファンに向けての感謝の言葉を忘れなかった。「Window3あたりからバスケファンが増えている実感がある。本当に我々を受け入れてくれるファンには感謝の言葉しかない。ファンの後押しが自信を引き出してくれていると言ってもいいだろう。だからこそ全力で戦い、いい結果を残したい。(日本語で)頑張ります!」

 1年3カ月にも及ぶアジア予選はいよいよ最終局面を迎える。男子日本代表は15日に最終調整を行うトルコに向けて出発。帰国はカタール戦の翌日、25日の予定だ。ワールドカップ出場という大きなお土産を手にした選手たちをぜひとも迎えたい。

文=入江美紀雄

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