2019.02.21

日本代表、いよいよ最終決戦…ベテラン不在でも手強いイランを倒してW杯へ!

21日のイラン戦に勝利すれば、日本はワールドカップ出場へ大きく近づく[写真]=fiba.com
スポーツライター。『月刊バスケットボール』『HOOP』編集部を経て、2002年よりフリーランスの記者に。国内だけでなく、取材フィールドは海外もカバー。日本代表・Bリーグ・Wリーグ・大学生・高校生・中学生などジャンルを問わずバスケットボールの現場を駆け回る。

闘将バハラミと大黒柱ハダディは結局不在

 2017年11月から1年以上かけて戦ってきた「FIBAバスケットボールワールドカップ2019 アジア地区予選」もいよいよ最終決戦のときを迎えた。日本はアウェーで2月21にイラン、24日にカタールと対戦する。2勝できればグループ3位以内を確保してワールドカップ出場が決定。最低でもあと1勝することで、グループ4位同士の争いで優位に立ち、7位で出場権を得る可能性が高い。

 この最終2連戦で、確実に勝利をもぎ取れる公算があるのは、若手に移行中のカタールだろう。Window5では85-47で快勝している相手であり、今回はアウェイといえども、カタールには最低でも勝たねばならない。しかし、当然のことながらフリオ・ラマスヘッドコーチは「イランと勝負する」と宣言する。

ラマスHCはイラン撃破へ「いい準備ができている」と話す[写真]=fiba.com

 そのイランは、あと1勝でチケットを確実に手にできるとあり、ホームで万全の態勢で挑むために、リーダーで得点源のサマド・ニックハ・バハラミと218センチのセンター、ハメド・ハダディを合流させる計画を立てていた。しかし、これを直前で断念。両ベテランの意向とイラン協会との間で折り合いがつかなかったと報じられている。また、今回はリバウンドに強いアーセラン・カゼミも招集されておらず、いわば“ビッグ3”が不在の状態だ。

 ハダディとバハラミが健在のイランの総合的な強さは昨夏の「第18回アジア競技大会」で準優勝したことからも実証済みであり、この2人が欠けたWindow4の日本戦では、立て直すことができずに後半に失速している。今回のイランもWindow4のメンバー主体で臨むために、日本にも勝機は十分あることは間違いないが、イランは今、Window4とは違うチームになっている。きっかけは、10月上旬に終了した「FIBA Asia Champions Cup 2018」で、イラン代表の主力が多く在籍するペトロチミが優勝したことだ。決勝の相手はBリーグ王者として出場したアルバルク東京であることから、この試合をインターネット中継で見たファンも多いことだろう。

ミルザエイの台頭と3人アウトサイド陣が新チームの軸

頭角を現してきたメイサム・ミルザエイ[写真]=fiba.com

 この試合で台頭したのが、サイズも幅もあるペトロチミのセンター、メイサム・ミルザエイ(208センチ/26歳)だ。これまではハダディの存在が大きすぎて目立たない存在だったが、この試合ではアルバルク東京アレックス・カークをパワーで押し出す活躍で、一気に台頭。この勝利によって若きイラン代表は手応えをつかみ、Window5ではアウェイでフィリピンとの大接戦を制して逆転勝利を飾り、世代交代が進んでいることを強烈にアピールしたのだ。

 世代交代といってもイランの場合は、司令塔のサッジャド・マシャイエヒ(183センチ/24歳)、エースへと成長しているベフナム・ヤクチャリ(191センチ/23歳)、スラッシャーのモハマド・ジャムシディ(199センチ/27歳)らアウトサイドの得点源は2012年から国際大会の経験を積んでおり、すでに主軸といっていい。今回はアウトサイドの3人を軸に、ミルザエイを筆頭とするインサイド陣がどこまで踏ん張れるかがカギとなるだろう。

ベフナム・ヤクチャリは前回の日本戦で21得点を挙げた[写真]=fiba.com

 また、今回はイラン国内で話題となっているマイケル・ルスタンプール(203センチ/27歳)と、ナヴィド・ニクタッシュ(201センチ/28歳)というフォワードのハーフ選手を招集したことにも注目したい。彼らニーフェイスがどれだけチームに融合しているのか気になるところだ。

 これまでチームを支えてきたベテラン勢が不在でも、新しい人材が浮上し、ホーム開催であることを考えれば、やはりイランは厄介な相手に変わりない。互いに「あと1勝」すれば出場権が見えてくるだけにタフな戦いとなる。ティップオフは21日の日本時間23時30分(現地18時)。まずはイランとの決戦に全力を注ぎたい。

文=小永吉陽子

FIBAワールドカップへの道のバックナンバー