2020.06.06

山崎伊織(野球)×河村勇輝(バスケ)対談「東海大学から日本を代表するアスリートへ」

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 東海大学硬式野球部所属の4年生、山崎伊織は昨年、首都大学野球リーグ戦で2季連続MVPを受賞したコントロール抜群の右腕。来年2021年のプロ入りを目指し、現在は負傷した右ひじのリハビリに励み早期復帰へ邁進する。

 バスケットボール部所属の新1年生、河村勇輝は昨年12月、福岡第一高校の司令塔としてウインターカップ2連覇を飾り、高校卒業を前にBリーグの特別指定選手として三遠ネオフェニックスでプレー。プロの舞台でも強烈なインパクトを残した新星は、大学バスケ界で新たなキャリアをスタートさせる。

 競技も違えばキャラクターも違う。もっとも、はるか上のステージを見据えている点は共通する。将来を嘱望される剛腕ピッチャーと神速ポイントガードは同じ学び舎で壮大な夢を思い描いている。

取材・文=安田勇斗

東海大学に入学することを決めた理由は?
山崎 自分は高校時代、チームで2番手のピッチャーだったんですけど、進路についてはいくつかの選択肢がありました。その中で、自分が目標としている菅野智之投手が東海大から読売ジャイアンツに入った経緯もあって、東海大に行きたいなと。菅野投手みたいなピッチャーになりたい気持ちと、あと他の大学よりカッコいいイメージがあって行くことを決めました。

どのあたりにカッコ良さを感じたんですか?
山崎 強いのもありますし、「東海大学」という大学名を聞くだけで「うわっ」って思う威厳のようなものもあります。それと、高校から縦縞のユニフォームを来ていたのもあり、東海大伝統の縦縞のユニフォームを着たいなと。

山崎は、巨人や日本代表で活躍する菅野智之(写真)への憧れもあって東海大に進学した[写真]=Getty Images

河村選手はいかがですか?
河村 自分は夢であるプロバスケットボール選手になる、プロアスリートになるために、その夢に一番近いところであり、指導者や環境面も自分に合っていると感じて入学することを決めました。環境面では体育館もそうですし、ウェイトトレーニングのジムもあり、あと寮のご飯も充実しています。食事は体作りをする上で大切ですし、そういう部分でもいいなと感じました。

実際に東海大学に入って良かったと感じるところは?
山崎 環境面では、グラウンドが寮の隣にあって、いつでも練習できるのは大きいです。こんなに近くにあるのは珍しいみたいで、移動がない分、練習効率はいいですね。プレー面で言うと、入った時は本当にビックリしました。大学生と高校生はこんなにもレベルが違うのかと。ノック一つ見ても全然違って、大学生は堅実で本当にうまいなと驚きましたし、そういう環境で練習できるのはありがたいですね。

河村選手は練習に参加してみてどうでしたか?
河村 1週間ぐらい参加させていただいたのですが、トレーニング自体もそうですし、環境も、すごくいい刺激になっています。ただ、バスケットに対する考え方だったり、チームの考え方だったり、いろいろな面で高校とは違いがあるので、早く大学バスケにアジャストしていかないといけないなと感じました。

アンダーカテゴリーの日本代表で実績を積み、進路が注目される中、東海大への進学を決めた[写真]=東海大学

お互いの競技を見たり、プレーしたりした経験はありますか?
山崎 バスケを見たことはないですね。体育の授業でやったことはありますけど。ただ、ウインターカップを見た父親が「河村君すごいぞ!」と言っていて、同じ野球部の小郷(賢人)が『TikTok』で「河村君はすごい選手で、今一番の推し」と言って見せてくれて、河村君のことは前から知っています(笑)。
河村 ありがとうございます(笑)。僕は父が野球好きで、地元の山口県は広島に近かったので、ファンではないですけど、子どもの頃に2、3回広島(東洋カープ)の試合を見に行ったことがあります。あと地元に広島の2軍の練習場もあって、何度か見に行きました。あまり野球は見ないですけど、山崎選手のプレーは見たことがあります。東海大はバスケ以外もスポーツが盛んと聞いていて、YouTubeで拝見させていただきました。
山崎 ホントですか?
河村 はい、ちょっと前の映像だと思うんですけど、14番をつけてましたよね?
山崎 そうです。
河村 速い球だったり、変化球だったり、自分には考えられないような素晴らしい球を投げていてビックリしました。
山崎 ありがとうございます(笑)。

福岡第一高では4度の全国制覇を成し遂げ、3年最後のウインターカップでは2連覇を達成した[写真]=須田康暉

お互いの競技のすごいなと感じるところは?
山崎 バスケの試合は見たことがないんですけど、『SLAM DUNK』とか『黒子のバスケ』とかバスケのアニメはよく見ていて、とにかく激しいなと。野球とは違って接触プレーが多く、体の強さが求められるスポーツだと感じました。

河村選手はバスケ選手では小柄な方ですが、接触プレーの多いバスケで大きな選手とマッチアップする際に意識していることはありますか?
河村 大きな選手、小さな選手それぞれに特徴があって、小さな選手にしかできないこともあります。そうした自分の特長を伸ばして、技術を身につけることで大きな選手にも勝ることができると思っています。そういう意味で野球のすごいところは、日本人は世界的に見て体格が劣っていながら、その中で戦術を駆使して世界一になっていることですね。誇りに思いますし、希望を感じます。あとピッチャーで言うと、バッターとの駆け引きだったり、1球1球が大切で、すごい世界だなと思います。

せっかくの機会なので、お互いに聞いてみたいことはありますか?
山崎 アニメでしかバスケを知らないですけど、河村選手と言えばすごいところからのパスを見てビックリしたんですけど、あるんですか、そういう“イーグルアイ”(『黒子のバスケ』に登場する伊月俊の能力。コート全体の状況を瞬時に把握する)みたいなものは。
河村 アニメの世界なので若干誇張している部分はあると思うんですけど(笑)、NBAっていうアメリカのすごいレベルになれば、そういうイーグルアイのような、コート全体の相手の位置だったり、仲間の位置を把握する能力は本当にあると思っています。逆に、僕がお聞きしたいのは、これからプロアスリートを目指す上で大学生活をどのように過ごしたらいいですか?
山崎 それは僕に聞くことじゃないと思います、僕はあんまり得意じゃないんでそういうこと(笑)。でも、同じ大学のチームメートに、僕は影響されたのが大きくて。さっき話した小郷というやつがいるんですけど、小郷が大学2年生の時に日本代表に行って、一緒に大学2年から試合に出始めて、同じ立場だった同級生にちょっと先を越されたという部分があって、僕自身負けたくないという気持ちがそこで強く芽生えて。やっぱりチームの中で切磋琢磨できる仲間を見つけて、刺激し合いながらやっていけるのはすごくいいことだと思います。

昨秋のリーグ戦で5試合計44回を投げ防御率0.20に抑えた山崎(左)は今秋のドラフト有力候補に挙がる[写真]=東海大学

それぞれ自分のプレーの特長や、自信のあるところは?
河村 自分はスピードを活かしたシュートや、相手の裏をかくパスに自信を持っています。
山崎 僕はコントロールに自信があります。中学生の頃からどちらかというとコントロールがいいピッチャーで、高校、大学でそれを再確認できました。高校時代にスピードを求めていた時期もあったんですけど全然ダメで(笑)。それと変化球も比較的器用に投げられると思っていて、どの球でも勝負できるのは自分の強みです。マウンドに上がった時の負けん気の強さも持ち味だと思っています。

今後どのようなプレーヤーになっていきたいですか?
山崎 ファンの方々に愛され、「何かやってくれそう」と思ってもらえる選手になりたいです。夢や希望を与えられるプレーヤーになりたいと願う選手はたくさんいると思いますけど、自分はその上で一つの特徴として、見る人に「ワクワクする気持ち」を芽生えさせるような選手になりたいですね。
河村 自分はチームを勝たせるポイントガードになっていきたいと考えています。少し前まで三遠ネオフェニックスで特別指定選手としてプレーさせていただいたのですが、チームの結果は思わしくなく、勝てない状況が続きました。ファンの方々に恩返ししたいと考えた時に、やっぱり結果で返すのがプロの意義、責任だと思うので、大学でたくさんのことを学んで成長し、チームを勝たせられる選手になっていきたいです。

2020年1月に特別指定選手として三遠に加入し、18歳8カ月23日のB1最年少出場記録を樹立した[写真]=B.LEAGUE

そうなっていくために、どんな部分を伸ばしていきたいですか?
河村 技術面だとシュートの力です。高校時代は40分フル出場して、自分がずっとポイントガードとして試合を進めることができたんですけど、大学、プロになると選手層も厚くなってくるので、40分間のうちの20分くらいしか出られないと思います。その短い時間でもしっかりシュートを決めて結果を出せるように、チームに貢献できるようになりたいです。
山崎 僕はまず体を強くしていきたいです。今もケガをしていますけど、プロでは1年間をとおしてプレーしていくことが求められるので、ケガの元となるような部分を改善して、プロに入るだけでなく、入ってからのことも見据えて、強い体、タフな体を作っていきたいです。

東海大学で過ごしていくうえで、山崎選手から河村選手へアドバイスなどはありますか?
山崎 そうですね……。僕たち野球部の選手たちがよく行くところなんですけど、大学の近くに『イシイ』というレストランがあって、めちゃくちゃうまいので行ってみてください。オムライスがうまいです(笑)。
河村 バスケ部の寮生は週に1度、『イシイ』でご飯を食べるんですよ。自分も行きましたけどおいしかったです。ただメニューも含めて食事はしっかりと管理してもらっていて、たぶんオムライスは食べられないですね(苦笑)。
山崎 えー、そうなの(苦笑)。

では最後に、将来の夢や目標をお願いします。
山崎 日本を代表する選手になりたいと思っています。大学の日本代表には選出していただきましたけど、日本のプロ野球の代表として活躍するのが自分の目標です。
河村 日本代表のポイントガードとして世界の舞台で戦うことが目標です。自分のような小さな選手が世界で戦えることを証明することで、バスケットが日本でもっとメジャーなスポーツになればと思っています。小中高生をはじめたくさんの方々に夢や希望を与えられるプレーヤーになることを目指し て、がんばっていきたいと思っています。

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