2022.08.07

大学界屈指の点取屋・江村優有(早稲田大学)…「目標はグローバルプレーヤーになること」

代表合宿などでは「自主練習で取り組んできたことなども出せた」と江村 [写真]=Wリーグ
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

トップの日本代表や3x3など濃い数カ月を過ごす

 抜群の得点能力を持つ早稲田大学の江村優有(2年)。今年は自身初となる日本代表候補入りを果たし、大学シーズンが始まった春から夏にかけて忙しい時期を過ごした。

 江村は、早稲田大学の主軸として5月4日から8日まで「第56回関東大学女子バスケットボール選手権大会」に出場。チームの3位入賞に大きく貢献し、個人でも得点王にベスト8賞、MIP賞を獲得した。

 その後、日本代表活動に参加し、5月末にはオーストラリア遠征、6月には「三井不動産カップ2022(千葉大会)バスケットボール女子日本代表国際強化試合」に出場。日本代表のユニホームを着て戦う姿を日本のファンの前で披露した。

 それ以降は、トップの日本代表チームの活動からは外れたものの、7月には3x3のU21女子日本代表として「FIBA 3x3 NATIONS LEAGUE 2022 U21 ASIA」に出場。7月4日から10日の期間、モンゴルのウランバートルにて3x3の舞台で躍動した。

 さらに、モンゴルから帰国後1週間も経たずして、江村の姿は群馬県高崎市で行われた「Wリーグ サマーキャンプ2022 in 高崎」にあった。学生選抜チームのメンバーとしてWリーグのチームを相手に戦ったのだ。

 そのサマーキャンプでは7月16日、17日の2日間の参加で、学生選抜は新潟アルビレックスBBラビッツ、シャンソン化粧品シャンソンVマジック、東京羽田ヴィッキーズと対戦。シャンソン化粧品には敗れたものの、新潟には勝利し、東京羽田には引き分けという健闘を見せた。

 江村は、接戦となった東京羽田戦では両チーム最多となる20得点を奪取。試合終盤の緊迫した場面でシュートをねじ込むなど、大きな存在感を放っていた。

 日本代表に学生選抜、5人制に3x3と様々なカテゴリーで忙しく活動を行った江村。だが、本人は「バスケットボールが大好きなので、忙しいとか、きついとかはまったく思わず、逆に色んな環境でいっぱい良い経験ができて、すごくバスケットを楽しんでいます」と笑顔を見せる。

 コンディションの面でも、「トレーナーの方にケアしてもらっているし、ケアの知識なども学ぶことができたので、ありがたいです」というようにサマーキャンプでも元気な姿を見せていた。

江村が日本代表活動で感じたものとは

 目標でもあった日本代表候補に名を連ね、実際に活動した感想を「学生とは違うなと感じました」と江村は言う。さらに「試合に勝つためにはマッチアップで決まると思うので、そのマッチアップで相手を上回ること。また、相手を上回るときにスコアスキルが一番重要なので、スコアスキルをもっともっと磨いていきたいと感じました」とも語った。

 一方で、日本代表活動を通してトップレベルでも「やっていける」という手応えも感じたようで、「スピードは学生とは違うと思いましたが、たくさん練習やゲームする中で、自分のものになっていく、どんどんと成長していけるということは感じました」と頼もしい言葉も発した。

 現在、江村が目標に掲げているのが「グローバルプレーヤーになること」。今回、日本代表の恩塚亨ヘッドコーチなど、様々な指導者との出会いもプラスに作用しているようで、「どこに行っても、どういうポジションになっても適用できるグローバルプレイヤーになっていきたい」と決意を新たにする。

「行けるところまでどんどん上がっていきたいと思っています。グローバルプレーヤーになるための課題もあるし、スキルももっと磨いていかないといけない。全然まだまだなので、日々成長です」と江村。

 そんな江村の根底にあるものは、「バスケットが大好きで、楽しむためにやってる」ということ。ミニバス時代から変わらず、常にバスケットを楽しんでいるからこそ、「モチベーションが上がったり下がったりというのは全然ない」そうだ。

 現状に満足することなく、高い志の下、レベルアップを目指す江村。日本期待のポイントガードは、“楽しむ”心を持ちながら、これからも成長を続けていく。

中学時代から憧れの選手でもあるカイリー・アービング(ブルックリン・ネッツ)のシグネチャーモデルを着用 [写真]=Wリーグ


文=田島早苗

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