2022.12.10

3ポイントシュート6本を含む22得点を奪取した愛知学泉大・森美月…「4年生を支えたい」

愛知学泉大のガード・森は、笑顔でチームをけん引 [写真]=田島早苗
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 12月10日、「第74回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)」は女子準決勝が行われ、東海女王の愛知学泉大学が関東1位の白鷗大学と対戦した。

 試合は第1クォーターこそ20−30と10点のビハインドを負った愛知学泉大だったが、第2クォーターでは石牧葵(4年)のドライブなどで追随。前半の残り約1分で白鷗大を捉えると、残り31.9秒には相手のファウルからフリースローを誘い、41−40と前半をリードして終えた。

 後半に入ると一進一退の様相に。第4クォーターでは1点を争う展開となる。しかし、残り1分半を切ってから、愛知学泉大は186センチで強さのある白鷗大のオコンクウォ スーザン アマカ(2年)にリバウンドからのシュートを許して失点。一気にリードを広げられてしまう。逆に自らの攻撃ではシュートを決め切れず。アマカへのファウルも響いてしまい、最後は80−89で敗れた。

「前半からみんなの気持ちが入っていて、オフェンスもディフェンスもアグレッシブにやれてはいたのですが、最後にアマカさんのところでリバウンド取られてしまいました。そのリバウンドを全員で取れなかったことに少し悔いが残ります」

 こう試合を振り返ったのは愛知学泉大の森美月(3年)。アマカだけでなく、180センチでパワーのある田中平和(3年)にもリバウンドやインサイドプレーから得点を許し、「脚力でもう少し勝てたら良かったと思います」とも口にした。

 森はこの試合、「3ポイントシュートが当たっていると感じていました」と振り返るように、3ポイントシュート6本を含む22得点の活躍。また、執拗なディフェンスも披露し、チームを盛り立てた。

 その森が、「少し緊張しました。でも、先輩に負けたくないという思いで挑みました」と語った相手が白鷗大の鈴置彩夏(4年生)。同じ愛媛県の聖カタリナ学園高校出身で、鈴木は1つ上の先輩にあたる。森も鈴置も本格的に1番ポジションを担ったのは大学から。「私も高校のときは2番ポジションだったので、お互いに1番になって初めてマッチアップしました」という。

準決勝の白鷗大戦では聖カタリナ学園高校の先輩である鈴置とマッチアップ [写真]=田島早苗


 ただ、森の場合は司令塔ではあるものの、「1番をやりながら持ち味のドライブなど、2番ポジションの動きもする。1番だけど2番みたいな感じです」とのことで、準決勝でも石牧とともに出場している時間帯は、「石牧さんにボールを預けて、私は3ポイントシュートを狙うように。2番ポジションの動きを意識していました」と、言う。

 163センチの森は、勝山中学校(愛媛県)時代に全国大会に出場。3年次には敗れたものの、決勝トーナメント1回戦で52得点を叩き出した。このときの3ポイントシュートは5本。当時は緩急を付けたドライブからのシュートが主体で、相手のファウル得て、バスケットカウントでの『3点シュート』が多かったと記憶している。

 今でもそのドライブは得意としているが、「まずは3ポイントシュートを狙うこと。そうすることによって相手が3ポイントシュートを警戒して、ドライブにも行きやすくなるので、大学に入ってからは“最初に外のシュートを狙う”ことを意識するようになりました」という。

 試合には惜しくも敗れたが、気迫あるプレーを見せた4年生たちを「ディフェンスやルーズボールなど、気持ちがプレーに表れていましたね」と、語った森。

スピードあふれるプレーで引っ張った愛知学泉大の森 [写真]=田島早苗


「4年生を信じて、4年生を支える気持ちで臨んだ」インカレも明日が最終日。4年生と戦う最後の試合では、「全員で一致団結して、みんなが楽しくプレーできるように。3位を目指して頑張りたいと思います」と、力強く語って会場を後にした。

取材・文・写真=田島早苗

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