2018.03.24

デンソーが第4クォーターに逆転。トヨタ自動車を振り切り決勝進出

27得点を挙げてチームの勝利に貢献した高田真希 [写真]=加藤誠夫
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 3月24日、第19回Wリーグ プレーオフ・セミファイナルが丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)で行われた。第1試合はシーズン2位のデンソー アイリスと同3位のトヨタ自動車 アンテロープスが対戦。今シーズンの対戦成績はデンソーの2勝1敗だ。

 第1クォーターは点の取り合いとなった。デンソーはポイントガードの稲井桃子からのパスで髙田真希、赤穂さくらが軽快にシュートを決めていく。一方のトヨタ自動車は残り4分18秒に長岡萌映子のドライブを決めた後にやや停滞するものの、残り2分過ぎからベンチスタートの三好南穂、馬瓜ステファニー、馬伊娜がきっちりつないで、互角の流れを作っていく。

 第2クォーターに入ると、試合の流れは一変した。トヨタ自動車が繰り出したゾーンディフェンスにデンソーはリズムを失っていく。ミスからの失点が増え、ディフェンスの足も停滞していった。トヨタ自動車は第3クォーターに入ると、この試合、最大となる12点ものリードを奪う。ただ、デンソーはここで我慢できたことで、その後の展開を変えていくことになる。

 この場面、「とにかく5点差まで追いつこう」と、デンソーの小嶋裕二三ヘッドコーチは、チームの支柱を担う髙田と稲井に声をかけたという。第3クォーターも終盤を迎えると、デンソーが次第にペースをつかんでいった。

9アシストをマークした稲井 [写真]=加藤誠夫

 反対にトヨタ自動車は「前半できていたことが、後半になるとできなくなっていった」と、ジェームス・ダンカンHCが振り返ったように、シュートを決めきれなくなり、リードを次第に失っていった。第3クォーター終了時には55-60とトヨタ自動車がリードをキープしたが、デンソーの小嶋HCが目論んだ展開となっていった。

 第4クォーターはデンソーのインサイド陣が猛威を振るう。赤穂さくらのステップインや髙田がオフェンスリバウンドをねじ込みバスケットカウント。さらに稲井がトヨタ自動車のディフェンスを切り裂くドライブで追撃して、反対にリードを奪っていった。第4クォーター、トヨタ自動車の得点を大神雄子と水島沙紀だけの9得点に抑え、デンソーが79-69でトヨタ自動車を破り、25日の決勝にコマを進めた。

 試合後、記者会見に臨んだ大神は「第2クォーターはインサイドを守れていただけに、後半もうちょっと踏ん張れればともどかしい勝ったのも事実です」と、試合を振り返った。さらに。「まだ明日がある。こういう時は雰囲気が悪くなることもあるが、もう1試合あるのでチームメートに顔を上げてプレーさせられるようにしたい」と、気持ちを3位決定戦に向けていた。

大神(右)擁するトヨタ自動車は決勝進出ならず [写真]=加藤誠夫

 一方髙田は、「今年の皇后杯決勝で負けたリベンジを果たすチャンスを得た。いい準備をしたい」と意気込む。小嶋HCは「ファイナルはどこが相手でもディフェンス勝負。いかにミスによる失点を抑えることができるかが勝負のカギを握ると思う」と、決勝戦でのポイントを語った。

【試合結果】
デンソー アイリス 79-69 トヨタ自動車アンテロープス(@丸善インテックアリーナ大阪)
デ ン ソー|26|13|16|24|=79
トヨタ自動車|22|26|12|9|=69

文=入江美紀雄

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