今年のゴールデンウィークは、家でゆっくりと過ごす人も多いだろう。そんな“おうち時間”で欠かせないのが食事。今回は、トヨタ自動車アンテロープス所属で日本代表選手でも活躍する長岡萌映子に家での食生活について気を付けていること、またおすすめレシピも聞いた。
――例年だと、ゴールデンウイークの時期は日本代表活動中ですが、現在はどのような状況でしょうか?
長岡 トヨタ自動車の体育館も利用が制限されているので、家で工夫しながらトレーニングをしている状態です。やれることは限られてしまいますが、最低でも1日2時間~3時間はトレーニングの時間にあてています。
――体力や体調の維持が大変ですね。
長岡 体力面では、できることが限られるし、どう頑張っても通常時の体力には戻らないです。でも、今は本当にできる範囲でやれることをやるしかないと思っています。
あとは、例年だと日本代表などで活動している時期だけれど、逆に考えて『今は休める時でもある』と考えるようにしています。体を動かす時と動かさない時とのメリハリ付けるようにはしていますね。休む時はドラマや映画を見るなどしてリフレッシュしています。
――ここ数年、ずっと日本代表活動を行ってきたので、これだけ長い休みもなかったと思います。体も心もを休ませる時間と前向きに捉えているわけですね。
長岡 そうですね。もちろん、『次のシーズンもプレーする』と決めたアスリートとしては、トレーニングができない今の状況は不安でしかありません。でも、それはみんなが同じこと。その中でやれることをやるしかないと思っています。それは体を動かすことだけでなく、食事に対する気遣いもその一つだと思っています。
――体を十分に動かせないこの時期は食事に対してどのようなことを心掛けていますか?
長岡 私は結構食べるんです(笑)。日本代表活動をしているとオフの日がそれだけ少なくなるけれど、その分、体を動かしているわけだから、心置きなく食べられるんです。
だけど、今は体を動かすことに制限があるので、栄養のあるものを食べながらも、量を食べ過ぎないように気を付けています。
私は炭水化物が好きなので、思いっきり食べられないことはつらいのですが、それでも、『いつもより多く頑張った日はちょっと多く食べる』といったような自分にご褒美をあげながらモチベーションを上げています。
今は不要不急の外出は自粛なので、食事を買いに行くこと、出前を取るなども頻繁にできることではないと思っています。それに私自身、自炊する方が合っていると感じているので、今は1日3食作っています。
――もともと、食事に対する意識は高い方だったのでしょうか。
長岡 トヨタ自動車に入ってから(2017年に富士通レッドウェーブより移籍)、自炊することは増えました。その時に生きているのが富士通時代(2012年~2016年まで在籍)でのことで、富士通は栄養の勉強をする機会などが結構あったんですね。その時の知識を活かすことができていると思います。
それこそ、キャベツに何と何の栄養素がどれくらい入ってるかなど専門的なところまでは分からないけれど、主食、主菜、汁物などのバランスを取るなどといった基本的なことは心がけています。
今は毎日作っているので、レパートリーが段々なくなってきているのですが(笑)、あまりこだわらず、好きなものを食べるスタイルで。そこに彩りだったり、変化を加えたりしています。『この野菜を採ろう』『もう少し緑は増やそう』などと考えながら作っています。
――彩りも意識しているのですね。
長岡 もともと、母がすごく食事には気をつかってくれたんです。長岡家の食事は、副菜、おかずがとにかく多くて。
家を離れた今は、母親と姉と私とで作った料理の写真を見せ合っています。そうすると母から「赤が足りないかな」とか、結構指摘が入るんです(笑)。それで、「そっか、赤が足りないのか…」と思って次に生かしています。
――現在は長岡選手のように中高生たちも部活動でバスケットができていない状態です。
長岡そうですね。今回の新型コロナウイルス感染症は世界的な問題なので、『自分の命を大切に』から始まることだと思っています。中高生たちは、学校もなく、友達に会えない状況ではありますが、友達に会いたい思いなどもグッとこらえて命を大切にしてほしいと思います。
――今回は食に関しての話を伺いました。家にいる時間が長いからこそ、食事をしっかりと採ることが大事ですよね。
長岡 はい。免疫力を高めるためには食事はとても必要だと思います。好き嫌いを言わず、ちゃんといろんなものを食べて、食事からしっかり栄養素を取ること。それで少しでも免疫力を高めて新型コロナウイルスに負けない体作りを食事の面からやっていけたらいいのではないかなと思います。みなさん、お互いに頑張りましょう!
取材・文=田島早苗