2020.09.22

復活を期す三菱電機コアラーズのニューリーダー川井麻衣、コミュ力アップでチームを牽引

6年目の今シーズン、副キャプテンに就いた川井はコートの内外でチームを牽引することを意識しているという [写真]=山田智子
日本サッカー協会を経て、フリーランスのスポーツライター・カメラマンに。東海地方を拠点に、サッカー、バスケットボールなど様々なスポーツの取材を行う。

 Wリーグの2020-21シーズンが開幕した。昨シーズンはスタートダッシュでつまずき、7勝9敗で7位に沈んだ三菱電機コアラーズはデンソーアイリスと開幕節を戦い、1勝1敗で星を分け合った。

 開幕戦は、序盤から互角の戦いが続いた。三菱電機は徹底したディフェンスとリバウンドでデンソーの強力なインサイドに対抗。デンソーの攻撃を停滞させると、得意のスティールからの速い展開で28-23と前に出る。第3クォーターにデンソーの反撃にあい、シーソーゲームに突入するも、最後は小菅由香と根本葉瑠乃が連続3ポイントシュートを決めて激戦をものにした。

 根本は4本の3ポイントシュートを含む16得点、小菅は3本の3ポイントシュートを含む15得点の活躍。40分フル出場した川井麻衣は6得点4アシスト4スティールをマークし、チームを勝利に導いた。

 しかし翌日の第2戦は、デンソーが意地を見せる。受け身になった三菱電機は、デンソーのエース・髙田真希を乗せてしまい、第1クォーターから2ケタビハインドを背負う苦戦を強いられる。

開幕節はデンソーに先勝したものの第2戦は厳しいマークに苦しんだ [写真]=山田智子


「今日は入りの部分で相手に走られてしまい、受け身になってしまった。そこから立て直すこともできずに、終始相手ペースで運ばれて。特にインサイドを攻略されて、自分たちのオフェンスも重くなり、苦しい展開になってしまいました」と川井は出だしの悪さを悔やんだ。

 試合の流れを変えられなかったことも力不足だったと続ける。「頭でっかちになってしまったというか、何か相手にアジャストしてプレーをしようとした時に、そればかりになってしまいました。コートの中で実際に何が起きているのかを見て、それに選手たちで対応するということが今日はできてなかった。オフェンス面はまだ完成しきっていないですね。スペーシングは昨年より良いと感じていますが、ピック&ロールの時に、周りが動き過ぎてドラーバーと重なってしまったりしているので、そこをもっと追求していきたい」と前を向く。

苦しい時こそ、明るい表情でチームを牽引

 6年目を迎えた川井は、今シーズンより副キャプテンを任された。長年攻防にわたり三菱を支え、日本代表としても活躍したセンターの王新朝喜が引退したこともあり、チームを引っ張る意識が高まった。

「アベレージで14得点、8アシスト、6リバウンド、2.5スティール、そしてフィールドゴール成功率50パーセント」(Wリーグ公式プログラムより)という高い数値目標を掲げ、自らを鼓舞している。
 
 プレーで引っ張るだけでなく、積極的なコミュニケーションを図り、チーム力を高めることにも心を配る。「自分も中堅になってきたので、普段から上の方と下の子たちをつなげるように、どちらともコミュニケーションを取ることを意識しています。コートでも、若い選手や移籍してきた選手が少しでも良いプレーができるように声を掛けています」。

 この日も反撃の糸口がつかめない悪い流れが続いたが、「がまん、がまん」「もう1回」と声を掛け、何度もハドルを組んで笑顔でチームメートを励ます姿が印象的だった。

「ポイントガードとしてずっと心掛けているのは、暗くなってもしょうがないので、自分が明るくやること、明るい表情でプレーすることです。『はぁー』って思うこともあるんですけど、頑張って顔を上げて、何かを発信しようと思っています。それがみんなに伝染して、少しでもプレーが良くなればと考えています」

 昨年日本代表候補にも選出された、成長著しいプレーメーカーは、強い決意とポジティブなエネルギーでチームを「優勝」へと牽引していく。

ハドルの中心でチームメートを鼓舞する川井 [写真]=山田智子


文・写真=山田智子