2022.09.06

江良萌香、富士通の新ポイントゲッターに「『江良が来て良かった』と思ってもらえるように」

アイシンから富士通に移籍し、新天地での活躍が期待される江良 [写真]=Wリーグ
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 9月2日から4日にかけて高崎アリーナにて行われた「Wリーグ オータムカップ 2022 in 高崎」には、Wリーグ所属の14チームに、日本社会人連盟に属する6チームと招待チームのU18女子日本代表を加えた計21チームが参加。3ブロックに分かれ、トーナメント方式で各ブロックの優勝を争った。

 その中でBブロック優勝となったのが、富士通 レッドウェーブだ。デンソー アイリスとの決勝では、序盤こそ点を取り合ったものの、第1クォーター中盤からは適時にシュートを決めてリードしていく展開に。6点リードで迎えた第2クォーターでは相手の得点を9得点に抑えるなどチームディフェンスも光り、最後は67-59で勝利した。

 試合で14得点5リバウンド4アシストをマークしたのが富士通の江良萌香。特に第1クォーターでは3本の3ポイントシュートを沈めて、チームに勢いをもたらした。

 江良は、今シーズンよりアイシン・ウィングスから移籍で富士通に加入。もともと、聖カタリナ学園高校(愛媛県)時代から得点力の高さには定評があり、アイシンでも、昨シーズンは1試合平均11.5得点という数字を残した。

 オータムカップでは3試合を戦い、1試合平均得点は15.7点。ポイントゲッターとしての役割を全うした。

昨シーズンはリーグ6位の42.39パーセントで3ポイントを成功させた [写真]=Wリーグ

 決勝後、「良かったです」と、優勝という結果に安堵の表情を見せた江良。自身の出来については、「点を取ることを求められているのですが、前半が良くても後半で点を取れないなど波があったので、40分間リングにアタックしながら、波がないようにしていきたいです」と、振り返った。

「(昨シーズンの)セミファイナルを見に行って『富士通のバスケットっていいな』と惹かれた」ことも移籍先に富士通を決めた理由の一つだという江良は、新天地では、2番ポジションとして得点面での期待が高い。

『富士通の2番』といえば、昨シーズンをもって引退した篠崎澪が担っていたポジション。8シーズン、チームの中心として引っ張ってきた篠崎に対しては、「代わりというわけではないけれど、比べられることは自分でもわかっていて、そこはプレッシャーでもあります」と苦笑い。それでも、「篠崎さんを尊敬しているし、真似できるところは真似していきたいと思っています。でも、“自分のプレー”でどんどんアタックしていき、例え比べられても、『江良が来て良かった』と思ってもらえるようなプレーができるように頑張っていきたいです」と力強く発した。

「今までは(試合の)状況を見ながら、3ポイントシュートを打ったり、打たなかったりしていたのですが、今は、『打てる時は打っていい』と言われていることもあって、積極的に狙えるようになっていると思います」と、現状を語った。さらには、「チームメートもキックアウトからパスを出してくれるので、自分のリズムでプレーできています」と仲間への感謝の言葉も忘れなかった。

 8月の「Wリーグ サマーキャンプ 2022 in 高崎」に続き、オータムカップでも存在感を示した。富士通の新ポイントゲッターは、10月から始まるシーズンでは、その躍動感あるプレーでチームに新たな風を吹かせてくれるだろう。

富士通がオータムカップのBブロック優勝を飾った [写真]=Wリーグ

文=田島早苗

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