2022.10.16

【Wリーグ開幕特集】5アウトの新オフェンスシステムでプレーオフ進出を狙う東京羽田

大黒柱の本橋(左)と昨季、全試合で先発出場した軸丸 [写真]=伊藤大允、Wリーグ
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

第24回Wリーグは10月19日、国立代々木競技場第2体育館で行われるトヨタ自動車アンテロープスとENEOSサンフラワーズの一戦で開幕。新たに姫路イーグレッツが加わり、14チームによるリーグ戦がスタートするとする。ここではその14チームを紹介。激しい戦いの火蓋が切られる前に、チーム状況を確認してほしい。

文=吉川哲彦

 萩原美樹子ヘッドコーチを迎えて臨んだ昨シーズンは9位とプレーオフにあと一歩届かなかったものの、シーズン後半に白星を重ねて今後の可能性を感じさせた東京羽田ヴィッキーズ。センター陣の引退などでサイズが小さくなったことを受け、今シーズンは5アウトオフェンスでプレーオフ進出を狙う。

 昨シーズンは大黒柱である本橋菜子のコンディションが万全でなかったが、その分他の選手の自覚が強まった。本橋に代わって正司令塔を務めた軸丸ひかるは、チームで唯一の全試合スターター出場。津村ゆり子はチーム最多の1試合平均12.0得点を挙げ、得点源の地位を確立した。尾﨑早弥子も安定感が備わって一皮むけた印象が強く、誰がコートに立ってもプレーのクォリティが落ちないチームとなった。何より、萩原HCの指導で個々の役割が明確になり、全ての選手がチームへの貢献度を上げたことは間違いない。

昨季チームの得点王となった津村 [写真]=Wリーグ


 そこに加わる新戦力は、山梨クィーンビーズから移籍の水野菜穂とアイシンウィングスから移籍の髙原春季、アーリーエントリーで昨シーズン4試合に出場した樺島ほたるの3人。水野は昨シーズンにスティール王を獲得した好ディフェンダーであり、泥臭いプレーとリーダーシップでチームを鼓舞できる存在だ。自身2度目のシーズン全休を味わって新天地に飛び込んできた髙原にとっては、完全復活を期す重要なシーズン。ハードワークが身上の樺島は新人王という目標を公言しており、3人揃って期待値は非常に高い。

移籍の水野はディフェンスに定評のある選手 [写真]=Wリーグ


 今シーズンのレギュラーシーズン26試合のうち、ホームゲームが大田区総合体育館を中心に14試合。ファンの大きな後押しを受けて戦えることは心強い。選手同士の仲の良さが生むチームの一体感はリーグでも随一。サマーキャンプとオータムカップを経て5アウトシステムの完成度にも向上の感触があり、息の合ったプレーが随所に見られるだろう。2018-19シーズン以来のプレーオフ進出に向け、旋風を巻き起こす準備はできている。

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