2022.12.20

【インタビュー】有言実行で世界の舞台を経験した東藤なな子の高校時代

東藤が札幌山の手で過ごした高校3年間を振り返った [写真]=本美安浩
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

昨年の東京オリンピックではチーム最年少として出場し、銀メダル獲得に貢献した東藤なな子は、攻防においてタフなプレーが持ち味の選手。日本代表でも所属チームでも主軸を担っている東藤に、基礎を身に付けた高校時代のことや高校バスケット界のビッグイベントであるウインターカップのこと、またパフォーマンスを最大に発揮するための必要なギアアイテムについて話を聞いた。

インタビュー・文=田島早苗
写真=本美安浩

■基礎が身についた札幌山の手高校での3年間

――バスケットを始めたのはいつですか?
東藤 小学校4年生、9歳の時です。友だちのお母さんに誘われ、2回ほど見学した後にチームに入団しました。

――中学校では全国大会出場を達成し、その後、札幌の山の手高校に進学します。
東藤 中学の頃から札幌山の手には練習試合などで行かせてもらっていましたが、レベルが違うし、雲の上の存在だと思っていました。でも、その札幌山の手から推薦の話がきていると聞き、実際にコーチの上島(正光)さんが中学校に来て話していただいた時に、札幌山の手でやりたいと思うようになりました。

――札幌山の手での練習はどのようなものだったのでしょうか?
東藤 一つひとつの練習に対して細かく、足の運びやボールの位置など、できていなかったら止めて何度もやり直すような厳しさがありました。でも、それが基礎基本の習得につながったし、私の強みにもなりました。特に感じるのはセンターの練習。体の使い方から全部を教わりましたね。ペイントエリアに入った時に、ステップでシュートまで行けるというのは今も私の強みですが、それは高校の練習で身に付いたこと。Wリーグの1年目から通用したプレーがたくさんあったので、高校3年間を必死にやってきた良かったなと感じました。

――“高校バスケ”というとウインターカップですが、どのような印象を持っていますか?
東藤 集大成という感じですね。3年生だったら3年間、1、2年生はその年の集大成。ダークホースが本命チームに勝つなど、何が起こるかわからない大会でもありますよね。初めて会場に行ったのは中学3年生の時で、それこそ八村塁(ワシントン・ウィザーズ)選手がダンクするところを東京体育館で見ました。メインコートの試合を見ながら私もここに立ちたいと思いましたね。

[写真]=本美安浩

――大会に初めて出場したのは1年生のときです。
東藤 とても緊張しました。3回戦の昭和学院高校(千葉県)戦がヤマでしたが、その試合は個人的に何もできなくて……。3年生の栗林未和さん(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)が40点ぐらい取ったので、3年生のすごさや偉大さを感じるとともに自分の力不足を感じました。2年生の時は2回戦敗退。主力が私たち2年生だったので、3年生に申し訳ないという思いでした。私は(敗れた試合で)41点取ったけど、内容が良かったわけではなかったし、「何で勝てないんだろう?」と悩んでいた時期でした。

――迎えた3年生では、北海道予選で敗退しウインターカップ出場を逃します。東藤選手はU18女子アジア選手権に参加中で予選には出場していませんでした。
東藤 結果は(アジア選手権の開催地である)インドで、朝起きた時に知りました。信じられなかったし、受け止めきれなかったですね。ただ、それ以上にみんなが「なな子がいなくても頑張る」と言ってくれていたので、私に対して申し訳なく思っているんだろうなと。みんなの気持ちを考えると、そっちのほうがつらかったです。私は7人の同級生が大好きで、そのメンバーでウインターカップのメインコートに立ちたかったので、それが達成できなくて本当に悔しかったです。

――ウインターカップ出場を逃した悔しさは、次への原動力へと変えていったのですか?
東藤 同級生7人で頑張ってきた集大成をプレーとして見せることはできなかったけれど、3年間が無駄ではなかったことを証明したい。私がオリンピックに出ることでそれが証明できるのではないかと思いました。それで、卒業前に3年生と保護者、上島さんとの食事会の時に「東京オリンピックに出ます」と、強い覚悟を持って言いました。

――実際、オリンピックに出場し銀メダルも獲得しました。
東藤 道のりは相当に厳しいなとは思っていました。でも、オリンピック開催が1年延期したことも私にはチャンスとなり、頑張り続けたことで銀メダルを取れたので、あの時は3年前のことを思い出して「やってやったぞ!」と思いましたね。

――さて、今年のウインターカップは札幌山の手の後輩たちも出場します。
東藤 今年はインターハイに出られなくて本当に悔しい思いをしたはずです(※新型コロナウイルス感染症の影響で出場を辞退)。3年生は3年間の集大成で、1、2年生は3年生と一緒にできる最後の大会なので、一番は楽しむことを大事にして、悔いのないようにすること。勝つためには上島さんがいつも言う「リバウンド、ルーズボール、ディフェンス」も大切にしてほしいです。

――全国の高校生たちに向けてもメッセージをお願いします。
東藤 3年生はコート内外で学んだことを今後も大事にしてほしいです。1、2年生は、つらいことや苦しいことがこれから何度もあると思うのですが、それを乗り越えたらまた新しい自分に出会えると思うので、苦しいことから逃げずに頑張ってほしいです。

■試合の終盤も思いっ切りプレーできる

[写真]=本美安浩

――さて、東藤選手自身は2022-23シーズンを戦っている最中ですが、試合では『ザムスト カーフスリーブ(ふくらはぎ用スリーブ 両足入り)』を着用しています。
東藤 圧迫感がちょうど良く、プレー中も締め付けが気にならないですね。私は足がつりやすいのですが、『カーフスリーブ』があることで試合の終盤でも安心して、全力で思いっ切りプレーできます。デザインもスタイリッシュだし、どのユニフォームにも合うので、中高の部活生にもおすすめです。あと、個人的にはテーピングが多いと、ケガ人のように見えがちで好きではないのですが、これはテーピングの上からも着用できるのでいいです。

――テーピング姿は相手に見せたくない?
東藤 はい。弱みを見せたくないというか、弱いと思われたくないんです(笑)。

――いつも右足に着用しています。
東藤 右足がつりやすいというのもあるし、利き足でもあるので。試合の時に着用するのですが、これを着けて自分のスイッチを入れるというのもあります。

[写真]=本美安浩

――『ザムスト HA-1ショート(ソックス)』(についてはどのような印象を持っていますか?
東藤 今まで履いていたソックスの中には、緩くてシューズの中で足が無駄に動いてしまったり、逆にキツくて足裏がつりそうになったりすることがありました。でも、『HA-1ショート』は、シューズの中で足が動かないし、きつくもない。フィット感がちょうど良いです。つま先付近はクッション性あることで指先が固まることがなく、踏ん張りが効きやすい。逆に土踏まず付近は程よい締め付けで足が変に動かない。厚さもちょうど良く、どんなシューズにも合うし、丈夫で履きやすいです。

――最後に今シーズンの目標を教えてください。
東藤 チームの目標は日本一。個人的には昨シーズンよりいいパフォーマンスを発揮し、攻撃面で要となって積極的にアタックすることを心がけています。得点も昨シーズンより伸ばしたいと思っていて、課題として取り組んでいる3ポイントシュートなど、バランスの取れたオフェンスをしていきたいです。

■東藤選手 着用ザムスト製品

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