12月11、12日、「Japan’s Wayの共有」、「チームジャパンの意識付け」を目的とした『バスケットボール女子ナショナルチーム合同キャンプ2017』が、味の素ナショナルトレーニングセンターで行われた。この合宿には、アジア3連覇を達成した“AKATSUKI FIVE”女子日本代表、50年ぶりに銀メダルを獲得した女子ユニバーシアード日本代表、そして、初の世界ベスト4入りを果たした女子U19日本代表の3カテゴリーの日本代表選手33名（髙田真希/デンソー、藤岡真奈美/JX－ENEOSはケガのため不参加）が集結した。

練習では細かい指示がスタッフ陣から選手たちに飛んでいた

　合宿を終え、女子U19日本代表メンバーの一人、馬瓜ステファニー（トヨタ自動車アンテロープス）に合宿の感想を聞いた。馬瓜は、「世界と戦ってきた女子代表の皆さんは、意識の違いというか、一つひとつのプレーに対する丁寧さや細かい部分をしっかりマスターしていて、それをチーム全員で意識の統一ができています」と、女子代表チームの強さの秘密を垣間見たという。

「もうアンダーカテゴリーは卒業したので、あとは女子代表に選ばれるかどうかだけです。ただ、この合宿では大きな差も感じました。今回教わったことをマスターして、次に読んでもらえるようにリーグで頑張ります。女子代表は来年のワールドカップ、そして2020年の東京オリンピックで上位進出を目指しているので、自分も負けないようにしたいと思います」

「アンダーカテゴリーは卒業したので、女子代表に選ばれるように頑張りたい」と馬瓜ステファニー

　馬瓜と同じトヨタ自動車に所属する安間志織は、ユニバーシアード女子代表として50年ぶりの銀メダル獲得に貢献した1人だ。そんな安間も不安の中での合宿参加となったという。

「実は（合宿を）楽しみにしていたのですが…、期待と不安が入り混じっていました。トムさん（ホーバスHC）に初めて指導していただいたわけで、どのようなバスケをするのかわからなかったから」と、安間は正直な気持ちを吐露した。

　その中で、「とても細かい部分まで突き詰めるなというのが率直な感想です。自分のバスケ人生の中でも初めてでしたし、今後に生かしたいと思います」と、合宿を終えて手ごたえを感じたようだ。

　ユニバ代表を卒業した安間にとっても、今後は女子代表を目指す存在となる。ホーバスHCは安間のパフォーマンスを見て、「現在代表には吉田（亜沙美）、町田（瑠唯）、藤岡（麻菜美）と3人のポイントガードがいて、彼女たちとポジション争いをしなければいけないわけで、高い壁になっている。でも、これから楽しみな選手。僕のレーダーには入ったよ」と、好印象を持ったという。

「期待と不安の中での参加」だったが、ホーバスHCは安間の出来に及第点を与えていた

「代表全体の強化には若い世代の突き上げが必要」と語ったのはホーバスHC。馬瓜や安間のような存在が、女子代表には欠かせないのだ。

文＝入江美紀雄