2018.08.06

本橋菜子や根本葉瑠乃ら新戦力が台頭…日本、FIBAランク5位のカナダを撃破

ベンチから出場で14得点5リバウンド2スティールを挙げた根本 [写真]=大澤智子
バスケットボールキングプロデューサー(事業責任者)。学生バスケをテーマにしたCM制作に携わったのがバスケに関する初仕事。広告宣伝・マーケティング業務のキャリアが一番長いが、スポーツを仕事にして15年。バスケどころの福岡県出身。

 8月5日にアオーレ長岡で「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2018三井不動産カップ」第2戦が行われ、日本代表がカナダ代表と対戦した。9月にスペインのテネリフェで開催される「FIBA女子バスケットボールワールドカップ2018」への参戦を控え、いよいよ強化の最終段階へと突入した日本。6月8日にアリーナ立川立飛で行われた今大会第1戦では、エース渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ)を体調不良で欠きながら、チャイニーズ・タイペイを96-66と一蹴し、チーム全体の層の厚さを見せつけた。

 2戦目の対戦相手として招待されたカナダはFIBAランキング5位と、同13位の日本に対し格上だ。スペインでの本番を控える日本としては、現時点での実力を図る上では申し分のない相手に、しっかりと連勝を果たし自信を持ってワールドカップへと臨みたいところだ。

 地元新潟県長岡市出身のスネオヘアーによる国家独唱で盛りあがった観衆の中、15時8分ティップオフ。町田瑠唯(富士通レッドウェーブ)、水島沙紀(トヨタ自動車アンテロープス)、宮澤夕貴(JX-ENEOS)、長岡萌映子(トヨタ自動車)、髙田真希(デンソーアイリス)のスターティングファイブで試合に臨んだ日本は、序盤から高さで上回るカナダを堅守で抑えこみ、リズムをつかむことに成功する。スムーズに試合に入ると、町田や途中交代で出場した本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)のスピードで相手の守備をかき乱し、精度の高い外角シュートを次々と決めて24-15と強豪相手に素晴らしい立ちあがりを見せた。

先発出場した町田 [写真]=大澤智子

 このまま勢いを維持したい日本だったが、続く第2クォーターは、うまく崩しはするものの、シュートがことごとくリングに嫌われ得点が伸びず。逆にカナダのサミ・ヒルらガード陣の個人技などでジワリと点差を詰められ、34-29でハーフタイムを迎えた。

 第3クォーターに入ると、ルース・ハンブリンに198センチの体躯を活かしたポストプレーから連続得点を奪われて差を詰められると、ファーストブレイクも許して一気に逆転される苦しい展開に。高さで上回る相手に対し思うような攻撃を仕掛けられない日本だったが、この試合で再三に渡りカナダを苦しめた本橋の左からのドライブや、キャプテン髙田の得点で再度逆転すると、馬瓜エブリン(トヨタ自動車)やオコエ桃仁花(デンソー)などの若いメンバーの思いきりのいいディフェンスや、根本葉瑠乃(三菱電機コアラーズ)のロング3ポイントなども決まり、55-46とリードしてこの10分間を終えた。

 第3クォーターの再逆転で一気に流れを引き寄せた日本は、そのまま勝ちきるかと思いきや、試合終了直前の残り2.9秒、73-70の局面で本橋が痛恨のシュートファウルを犯し、3つのフリースローを与えてしまう。しかし、このフリースローをカナダが3本とも落としてタイムアップ。粘るカナダに詰め寄られるも、なんとか振りきった日本が貴重な勝利を収めた。

 再逆転の立役者となった本橋が17得点6アシスト2スティールと大車輪の活躍。重要な局面での長距離砲が光った根本が3ポイント4本を含む14得点に加えて、5リバウンドと、ここにきて新戦力の台頭が目立つ試合となった。目前に迫るワールドカップに向けて大きな自信となる1勝を挙げた日本。国内最後の強化試合となる第3戦は、再びカナダを相手に8月7日に群馬県高崎アリーナで行われる。

アピールに成功した本橋 [写真]=大澤智子



■日本代表 73-70 カナダ代表(@アオーレ長岡)
JPN|24|10|21|18|=73
CAN|15|14|17|24|=70

文=村上成

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