8月5日にアオーレ長岡で行われた「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2018三井不動産カップ」第2戦は、日本代表が格上のカナダを相手に73-70で勝利を収めた。
一進一退となった攻防戦では新戦力の活躍が目立ったが、中でも、代表デビュー2試合目となった本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)は、チーム最多の17得点に6アシスト2スティールとひと際輝きを放った。「積極的に攻められた部分は、勢いを与えられて良かったと思う」と手応えを口にした一方、イージーシュートを外してチームの流れを悪くしてしまったことを反省点に挙げた。
「交代選手として出ているので、出る前の試合の状況や流れを読んで、少し足が止まってるなと思ったら、積極的にそういう動きを作れるように意識してやりたい」。その言葉には、ポイントガードとして、自らがチームの波をコントロールし、流れを作るという自覚すら垣間見える。
だが、トム・ホーバスヘッドコーチも触れていたように、当初は代表選出に戸惑いもあったようだ。「自分は世界相手にやったことがなかったので、最初はどれだけ通用するのか不安な部分はあった」。しかし「代表合宿でも海外との練習試合をやっていて、重ねるにつれて、通用する部分が見えてきた」と明かしたように、経験の積み重ねが自信に変わっていった。
今回のカナダ戦では、リードを許した大事な場面でも臆せず、積極的にドライブで切りこんだ。「スペインなどは本当に高さもスピードも力もあり大変ですが、中国やカナダは、スピードでは通用する部分があるなと実感している。相手がスイッチしてきて大きい選手がついたので、スピードで抜こうと思った」
果敢にシュートを決め、スティールも成功させた本橋だが、試合終了残り3秒、3点リードの場面で痛恨のシュートファウルを犯してしまう。「3点差だったので、3ポイントだけは絶対にやられちゃいけないというのはあって。スクリーンなどを使ってくるかなと後ろを意識していたら打たれて、パッと手が出てしまった。いけないですね、最後は。絶対やっちゃいけないファウルでした」と反省しきり。カナダがフリースローを落としたため助けられたが、本人にはいい経験となったようだ。
もっとも、「まだまだ完成形ではないけれど、(HCが)やりたいバスケというのは自分の中で理解できているので、試合で使っていけるようになっている」と自身の確かな進化も感じている。「フォーメーションによってどこが攻めどころなのかが変わってくるので、数あるフォーメーションの中でどれを選択するかというのがポイントガードの力量になってくる。その部分はまだ自分にはできていない部分だと思う」と、自らの課題も明確に一つひとつ経験を積み重ね、日本の若きポイントガードは成長し続ける。