2018.09.23

女子日本代表、強豪スペインに敗れるも…そのなかに一筋の光明

「戦える」と一定の手応えをつかんだ19歳のオコエ桃仁花[写真]=三上太
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 9月22日にスペイン・テネリフェ島で開幕した「FIBA 女子バスケットボール ワールドカップ2018」。グループCに属する日本は地元・スペインと対戦し、71-84で敗れた。

 敗因を探れば、「負けに不思議の負けなし」の格言どおり、ミスからの失点などさまざまな要因が見えてくる。しかし、決して日本は完膚なきまでに叩きのめされたわけではない。無論、今大会の目標をメダル獲得に置いている日本にとって、世界ランキング2位のスペインを倒すか、少なくともゲームをとおして苦しめることは必須課題であった。結果としてそれができなかったことは今大会のみならず、2020年に向けても大きな課題を残したと言わざるを得ない。

初戦を落とすも、次のベルギー戦へ目を向けたホーバスHC[写真]=三上太

 それでもトム・ホーバスヘッドコーチは試合後に「ヘッドダウンはしない。大会は始まっているのだから、もうこの試合のことは忘れて、明日のベルギー戦に向かいましょう」と前を向く。そのための起爆剤になりそうな選手も出てきた。

 初選出の2人、本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)とオコエ桃仁花(デンソー アイリス)である。

「日本のバスケットはボールも人もスピーディーに動いて、ズレを作ってから最後にピック(スクリーン)などを使って、相手ディフェンスを崩すスタイルです。でも今日はボールも人も止まった状態で、個々の技術で打破しようとしすぎてしまったので、ポイントガードとして、もう少しコントロールしなければいけなかったなと反省しているところです」

 ポイントガードはゲームの“司令塔”とも言われる。そこを任された本橋は試合後に反省ばかりを口にしたが、自身初出場のワールドカップで、しかも2日ほど前からスタメンに抜擢され、「多少緊張はあった」というものの10得点5アシストは及第点と言っていい。前半は個の力で、後半はチームオフェンスのなかでという大きな違いはあるものの、スペインを相手にして彼女のドライブが通用したことも、今後に向けて大きな自信になるだろう。

強豪スペインを相手に10得点5アシストを挙げた本橋[写真]=三上太

 19歳のオコエもまた、これまでの強化合宿の日々を彼女自身の「経験と自信が積み重なったもの」として、その成果を存分に発揮していた。「ベンチから見ていて、アタックをしていても(全体として)動きが止まっていることが多いと思ったので、自分が出たらもっと積極的に攻めようと思っていました。1本目のドライブでシュートが決まったときに『ああ、戦えるんだ』って率直に思ったので、どんどん仕掛けました」。その積極性がこの日のチーム2位タイとなる11得点につながるわけだ。

 スペイン戦は結果的に世界トップクラスの強さを改めて突きつけられたゲームになった。一方で本橋やオコエといった新戦力が、多少の不安定さの含みながらもそれぞれの持ち味を発揮できたことは「次」につながる。「次」とは明日(日本時間23日)のベルギー戦であり、その後のプエルトリコ戦、決勝トーナメント、そして2020年へと続く、長い国際ゲームの道のりである。

 負けのなかで光った一筋の道をどう進むか。ワールドカップはまだ始まったばかりである。

写真・文=三上太

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