2018.09.24

ベルギー戦を勝利に導いたタフなキャプテンの矜持

延長戦にもつれこんだ一戦、約40分間の出場で26得点を挙げた高田 [写真]=三上太
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 9月23日、「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2018」は大会2日目。前日、地元のスペイン代表に敗れた日本代表はベルギー代表と対戦し、オーバータイムの末に77-75で勝利を挙げた。

 ベルギーはFIBAランキング28位(日本は同13位)で、ワールドカップも初出場だが(日本は今回が8回目の出場)、昨年のヨーロッパ選手権では3位に入り、エースのエマ・メッセマンは今シーズンこそプレーをしていないが、正真正銘のWNBA選手だ。昨シーズンのユーロリーグではMVPも獲得している。むろん彼女一人の存在で勝てるほど女子バスケットの世界基準は低くないが、それでも決して簡単に勝たせてくれるチームではない。トム・ホーバスヘッドコーチも前日「明日のベルギー戦は大きなチャレンジだ」と言っていた。実際、上記のとおりオーバータイムにもつれこむゲームになったわけだが、そんな厳しい試合で存在感を示したのは高田真希(デンソー アイリス)だった。

「目標であるメダルを獲得するためには、当然予選グループを1位で通過したほうがその後の戦い方もスムーズになるのに、昨日、自分たちの力不足でそれを難しくしてしまいました。でも今日のベルギー戦に勝たなければ、予選ラウンドを突破するのも大変になるし、通過するにしても2位と3位とではやはりその後の戦い方が違うので、とにかく目の前の試合に勝たなければいけないという思いはありました」

 高田はスペイン戦で、チーム最年長ながら約38分間出場。ベルギー戦のティップオフはそこから24時間も経っていない。体力的な疲労は想像に難くないが、今日のゲームでも高田は宮澤夕貴(JX-ENEOSサンフラワーズ)に次ぐ約40分をプレーしている。

 ディフェンスではベルギーのビッグマンと対峙し続け、第4クォーターの終盤には値千金のブロックショットを決める。オフェンスは前半からエンジン全開。ドライブからのバスケットカウントを奪うと、高田の持ち味ともいうべきフリースロー近辺からジャンプショットも沈め、さらに後半には藤岡麻菜美(JX-ENEOS)とのピック&ロールも効果的に決めた。終わってみれば両チームトップの26得点である。

「自分がこのチームのキャプテンですし、国際大会の経験も一番あるので、とにかく自分が攻めないといけないと思っていました。それがうまくいきました。体力的に疲れているとか関係なく、今日は自分のリズムがつかめてきたので自分としては楽だったというか、昨日よりも動けていたし、最後まで動き続けることができました」

主将としてチームを引っ張る高田 [写真]=三上太

 昨日の完敗から24時間も経っていない中で強豪チームと対戦することは、彼女自身もさることながら、若いチームにとっても想像以上の厳しさをもたらすかと思われた。しかしそんな状況の中で経験豊富なキャプテンがプレーでチームを引っ張ったことが、結果として勝利に結びついたと言える。

 日本のキャプテンはタフである。

写真・文=三上太

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