9月26日にスペインのテネリフェで行われた「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2018」のベスト8決定戦。日本代表は中国代表を相手に81-87で敗れ、決勝トーナメント進出は叶わなかった。
チームのエースとしてフル出場し、3ポイントシュート4本の12得点とチーム最多の9リバウンドをマークした宮澤夕貴(JX-ENEOSサンフラワーズ)は第一声で「悔しい」と切りだし、言葉を詰まらせながらもこう続けた。
「もっといいバスケットができる。出せる時もあったけど、自分は日本の主としてしっかりプレーできなかった。点を決める、チームを引っ張る、守るのがエースなのに、その仕事ができなかった。トム(ホーバスヘッドコーチ)さんが先頭に立って『メダル』と言っていたのを達成できなかったのがすごい悔しい」
宮澤自身は厳しいマークに遭い、思うようにプレーさせてもらえず。「シュートを警戒しているのか、スクリーンしても自分にマークがついてきて。前半はできたドライブをつぶされて、センターのダイブもアジャストされてしまった」と振り返り、「インサイドで点を取れればもっと楽な試合になったと思うが、やはりそこで点を取れなくて。今日はすごくきつかった」と明かした。ただ、一番の敗因はディフェンスにあると分析。
「日本の足が止まってしまって、相手のシューターを止められなかった。そこをアジャストしきれていなくて、どこを捨てて、どこを取るのか。インサイドを先に守っても、誰をノーマークにするかが徹底できていなかった。自分が先頭を切ってみんなに伝えて、『どこを守るよ』と言えば良かったと思う」
宮澤が「大きな存在」だという渡嘉敷来夢や大崎佑圭(ともにJX-ENEOS)が不在の今大会で、「このメンバーでバスケットができるのを証明したかったのに、こういう結果になってしまってすごく悔しい」。何度も「悔しい」という言葉が繰り返されたが、それでも個人としては大きな収穫があったようだ。
「精神的にステップアップでき、自信を持ってプレーできた。次への課題も明確になり、(さらなる)ステップアップにつながる大会でした」。自信を胸に、最後にはエースとしての矜持を持ってしっかりと前を向いた。
「この負けを無駄にしないで、また(日本の)Wリーグで一人ひとりが成長して、次のアジア選手権で結果を残して、2年後の東京オリンピックで金メダルを取れるようにしたい。日本に帰ってからいっぱい練習して、さらに一回り大きくなって代表に戻ってきたい」