2019.03.15

萩原HCがうれしい悲鳴。精鋭17名がロースター入りを目指してサバイバル

7月にタイのバンコクで開催される「FIBA U19 女子ワールドカップ2019」に向けて召集された17名の候補選手
バスケットボールキング編集部。これまで主に中学、高校、女子日本代表をカバーしてきた。また、どういうわけかあまり人が行かない土地での取材も多く、氷点下10度を下回るモンゴルを経験。Twitterのアカウントは @m_irie3

 7月20日から28日にタイ・バンコクで開催される「FIBA U19 女子ワールドカップ2019」に向けた強化活動を開始したU19女子日本代表チーム。3月11日から13日の3日間、候補選手により第1次合宿が行われた。この合宿には早生まれの大学1年生、Wリーグのルーキーを含む17名が参加。萩原美樹子ヘッドコーチは、「飛び抜けて大きな選手はいないが、全体的には高いと思う。2番、3番プレーヤーのサイズも高いのがこのチームの強み」と評価した。

 取材に訪れた合宿最終日には海外の選手の高さや当たりの強さを想定した練習が行われていた。その練習に入る前に萩原HCが選手たちに見せていたのが元NBAプレーヤー、スティーブ・ナッシュ氏(元フェニックス・サンズほか)のプレー集だった。

「日本人のドライブはアンダーカテゴリーをはじめ、国際大会でも通用する武器。逆にそれを使わないでどう攻めるのという感じだ。ナッシュは黒人プレーヤーに比べて運動能力に劣っているところもあり、選手たちにとっては逆に親近感があると思う。大きな相手に対して、どのように自分の体を使うか、さらには勇気を持ってペイントタッチして、そこからシュート、もしくはキックアウトのパスをするテクニックを学んでほしかった」と、萩原コーチはその意図を話してくれた。

ナッシュのプレーを題材に選手に説明する萩原美樹子ヘッドコーチ

 ウォーミングアップの後、ボールを使った練習がスタートすると、小笠原真人、佐藤謙介の両アシスタントコーチがコートの実際に入って実技指導。それを実践する選手へ、時には大きな声で激励し、気になるプレーにはすぐさま練習を止めて確認させるなど、活気に満ちた雰囲気の中、練習メニューは順調に進んでいった。

小笠原真人ACはフロントコート陣に高さ対策を伝授


佐藤謙介ACはガード陣に強いドリブルの必要性を指導

 そこで目を引いたのが、アシスタントコーチの指導を受けた選手が自身で判断して様々なプレーを試している点だ。これについて、「非常に能力が高いうえに、イマジネーションが豊かな選手がいるのも今回のチームの特徴。1つ見せれば3で返ってくる選手が多い。さらにそのプレーを見て、自分もとトライする選手もいて、積極性は買いたい」と、萩原HCは表情を崩した。

 好感触を得た萩原HCの悩みの種はこの17名を本大会にエントリーできる12名に絞る込むかだ。「正直落としたくない。できれば17人全員で行きたいぐらい。ただ練習だけでは判断できない部分があるので、今後の合宿や6月に予定している海外遠征を見て判断していきたいと思っている」。

 U19女子代表は4月、5月に国内合宿を行い、6月には海外遠征を予定している。そして7月には本大会が控えているが、それまで精力的に強化を進めていくことになる。

文=入江美紀雄

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