2019.05.04

日本の絶対的司令塔へ…「“負けず嫌い”を出して臨んでいきたい」と意気込む町田瑠唯

並々ならぬ覚悟を持って日本代表活動に臨んでいる町田[写真]=兼子慎一郎
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

今年度の女子日本代表候補選手26名のうちポイントガードは5人。その中では最年長で、リオデジャネイロ・オリンピック出場など、確実に日本代表としてのキャリア積んでいるのが富士通レッドウェーブの町田瑠唯だ。2018-19シーズンのWリーグでは、それまで以上に積極的にドライブからシュートを試みるなど、巧みなゲームメイクのみならず、得点面でも貢献。攻撃型ガードとして奮闘した。
これまで日本の司令塔を長きにわたって務めていた吉田亜沙美(元JX-ENEOSサンフラワーズ)が引退した今、本橋菜子(東京羽田ヴィッキーズ)や藤岡麻菜美(JX-ENEOS)らとともに吉田の後継として期待される1人。そんな町田は、昨年のワールドカップでの悔しい思いも含め、並々ならぬ覚悟を持って今年の日本代表活動に臨んでいる。

インタビュー=田島早苗
写真=兼子慎一郎

――日本代表の2次合宿が始まりました。今年はどのような思いで臨んでいますか?
町田 Wリーグ(2018-19シーズン)では、チームの結果は良くなかったのですが、個人としては少しだけ終盤にかけてプレーの(調子が)上がってきていたので、日本代表でもそれを継続すること。それと、昨年よりもレベルアップできるようにしたいと思って取り組んでいます。昨年から求められていることをしっかり果たす、プレーの精度を上げるというはもちろん、そこにプラスして得点にも絡んでいけるようにしたいですね。

――役割はこれまでとは変わらないですか?
町田 求められていることは大きく変わらないと思います。今回もいろんなガードが選ばれていますが、トムさん(ホーバス・ヘッドコーチ)が求めていることは選手それぞれに違うと考えていますし、その中で個人的には何でもできたらいいなと。何かが欠けているよりは(あらゆる面で)プラスであった方がいいと思っているので、代表合宿の中でプラスにできるものを増やしていきたいです。

――昨年、「FIBA 女子バスケットボールワールドカップ2018」に出場して、改めて感じた課題などはありましたか?
町田 やっぱり得点面ですね。それとターンオーバーが多かった。個人的には波があったと感じているので、安定したプレーをすることやどのタイミングで試合に出ても同じパフォーマンスを発揮できるように心掛けていきたいです。

昨年のワールドカップでは、ケガの影響もあり控えに回った町田[写真]=兼子慎一郎

――これまで日本代表を引っ張ってきた吉田亜沙美氏が引退しました。
町田 絶対的ポイントガード、絶対的エースという選手だったと思うので、私が“リュウさん(吉田)のように”とは言わないですが、そういう立場になれるように頑張りたいし、自分なりのプレーでリュウさんの立ち位置に行けるように頑張っていきたいです。

――吉田氏から学んだことはありますか?
町田 うまく言葉にできないのですが、本当に“すごかった”というか、練習に対しての姿勢や試合に向かう気持ちの強さにリーダーシップ。それに大事な場面では自ら点を決めたり、泥臭いプレーも全力でやったりと、すごい選手なのに細かいところも手を抜かなかったです。そんな姿を見て、私にとっては全てが勉強でしたし、常にリュウさんから学べる環境にあったと思います。

――日本代表のあるべき姿を見たというような感じですか?
町田 “中途半端な気持ちで日の丸を付けて戦っていないな”ということを一番感じた選手でした。だから、私自身も中途半端な気持ちではできないと思ったし、リュウさんが昨年の日本代表活動を辞退した理由が「気持ちが付いていかない、中途半端な気持ちでやれない」ということだと知って、やっぱりそうだったんだと。なおさら頑張らないといけないなという気持ちになりました。

――では最後に、今後の日本代表での活動に向けて意気込みをお願いします。
町田 昨年は少し、引いてしまったというか、調子のいい選手がいるから自分は違うことで力を出そうとやっていたところがありましいた。もちろん、大会に入ったらどの立場でいようと、チームのためにプレーするのが一番ですが、試合以外の合宿などでは、常にみんながライバルだと思うので、そこで一歩引かないように。本当に中途半端な気持ちでやらないように、“負けず嫌い”を出して臨んでいきたいと思います。

「常にみんながライバル」と競争心を燃やす[写真]=兼子慎一郎

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