2019.05.23

新リーダーに名乗りを上げた藤岡麻菜美が実践する“言葉の力”

激しい司令塔の生存競争の中、藤岡麻菜美は「自分のカラーも出していきたい」と気合を入れる [写真]=田島早苗
取材歴15年目でミニバス、中学、高校、大学、トップリーグに日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「今年はそれまでと違い、リーダーシップを執れていると思うので、遠慮せずに自分のプレーを出しながらゲームメイクをしていきたいし、自分のカラーも出していきたいです」

 5月31、6月1日にアダストリアみとアリーナ(茨城県水戸市)にて行われる「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2019 三井不動産カップ」に向け、頼もしい言葉を発したのはポイントガードの藤岡麻菜美(JX-ENEOSサンフラワーズ)。

 その藤岡が今年、強く意識しているのが“声”で、「私が声を出すことで反応する人が増えてきた感覚もありますし、そこで一つにまとまれているなと思うことも1次、2次合宿よりあります。それは自分自身にもいい影響も与えていて、良いプレーにもつながっています」と言う。

 特に今の日本代表は、長きに渡ってチームをけん引してきた司令塔の吉田亜沙美やインサイドの要であった大﨑佑圭らが抜けたことの影響も大きく、「リュウさん(吉田)やメイさん(大﨑)がいた時は、日本代表のカラーというものがありましたが、今はまだフワフワしている感じ」(藤岡)。そこで、「日本の新しい色を確立できるように。リュウさんは背中で引っ張るタイプでしたが、私はリュウさんほどのキャリアを積んでいないので、声を出すことで引っ張ってきたいと思っています」と、決意を新たにしているのだ。

想いを言葉に発することで目標を達成

「練習に参加できるだけでも気持ちが上がる」と積極的にメニューをこなす藤岡 [写真]=田島早苗

 これまでも藤岡は、声を出すこと、想いを言葉にすることで目標を達成してきた。筑波大のキャプテンとして臨んだ4年前の「全日本大学バスケ2015」(以下インカレ)もその一つ。秋のリーグ戦では5位という不本意な成績に終わり、加えて藤岡自身が突然の病魔に襲われ入院。復帰したのがインカレ開幕3日前という状況の中でも、リーダーとして「優勝」という言葉を発し続けた。

 迎えたインカレでの活躍は多くの人が知るところだが、大会では藤岡に引っ張られるように、現在日本代表候補の谷村里佳(シャンソン化粧品シャンソンVマジック)も高いパフォーマンスを発揮。準々決勝で当時優勝候補だった早稲田大学を接戦の末に破ると、チームの勢いも増し、一気に優勝へと駆け上がったのだ。

「私はそうやってみんなを引っ張ってきて一つにしてきた自信があるので、日本代表だと(学生の時とは)また違うとは思いえますが、勉強しながら、一つにまとめる方法を模索していきたいと思います」と、藤岡は目を輝かせる。

 昨年は、ケガの影響で日本代表では思うようにプレーができなかった。だからこそ、「練習に全て参加できているということでも昨年より上をいっていて、それだけで気持ちが上がります。これからも、もっとエネルギーを出していきたいし、昨年は2回とも国際強化試合に出ることができなかったので、今年は楽しみです」と、東京オリンピックへの準備期間となる今年に懸ける想いは強い。

文・写真=田島早苗