2019.07.26

女子日本代表をメダル候補に引き上げた三井不動産カップ

5月31日、6月2日に行われた三井不動産カップではヨーロッパの強豪、ベルギーと対戦した [写真提供]=JBA
本格的に取材を始めたのが「仙台の奇跡」と称された2004年アテネ五輪アジア予選。その後は女子バスケをメインに中学、高校と取材のフィールドを広げて、精力的に取材活動を行っている。

 8月24日、25日の両日、東京2020オリンピックの競技会場であるさいたまスーパーアリーナで「バスケットボール女子日本代表国際試合 三井不動産カップ2019」が行われる。

 この大会は女子バスケットボール日本代表チームのオフィシャルスポンサーである三井不動産が、チーム強化の一環として2016年からサポートするもので、同年5月に行われた記念すべき1回目の対戦相手はオーストラリア代表。結果として3連敗に終わったが、その経験がリオデジャネイロオリンピックでの8位入賞につながったと言っていい。その後もオランダ代表(2017年)、カナダ代表(2018年)などと対戦し、その年に行われたアジアカップやワールドカップに向けた実戦強化を図ってきた。

 今年も9月にインド・バンガロールで「FIBA女子バスケットボール アジアカップ2019」が開催され、11月には東京2020オリンピックに通じる世界最終予選に出場するチームを決める大会(プレ予選)が、来年2月には世界最終予選(本戦)が行われる。すでに開催国枠でのオリンピック出場を決めている日本もそれらに出場しなければならない。短期間に国際大会が続くことはコンディショニングの調整などで難しい面もあるが、一方でアジアや世界の強豪国と対戦することで東京2020オリンピックの目標に掲げる「金メダルを獲得する」のための貴重な、そしてレベルの高い実践の場ともなりうる。そうした大会をより上質なものにするためにも、三井不動産カップの存在意義は大きい。

女子日本代表のトム・ホーバスHCが目指す東京オリンピック金メダル獲得のためにも三井不動産カップが大きな役割を持つ [写真提供]=JBA

 8月の三井不動産カップでチャイニーズ・タイペイ代表と対戦する。昨年の6月にも同大会で対戦しているが、その試合を含め、日本は2005年のアジア選手権(現アジアカップ)を最後に、チャイニーズ・タイペイには敗れていない。しかし2015年に中国・武漢で行われたアジアカップでは苦戦を強いられるなど、常に侮ることのできないアジアのライバルである。サイズとしては日本と大きく変わらないが、1対1をベースに、そこからの連携が取れた、バランスのいいチームでもある。9月のアジアカップでも対戦する可能性があるため、両チームともに手の内のすべてを見せることはないだろうが、お互いの戦力を見極めつつ、これまで積み上げてきた戦術などを総点検する、貴重な実践の場になりそうだ。

文=三上太
写真提供=JBA


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