「走るプレーはできたと思います。いいところは出せたのかなと、少し自信になりました」
チャイニーズ・タイペイを相手に行われた「バスケットボール女子日本代表国際強化試合2019 三井不動産カップ」。女子日本代表は2試合とも快勝で終えたが、いずれの試合もスターターとして出場したのが赤穂ひまわり(デンソーアイリス)だ。
8月中旬の中国遠征で初めてスターターとなり、本人には驚きはあったようだが、指揮を執るトム・ホーバスヘッドコーチは「昨年はたまに素晴らしいプレーしていましたが、今はそのいいプレーが増えました。ディフェンスができないと(起用は)難しいけれど、彼女はディフェンスもできます」と、抜擢の理由を語る。
そして24日(土)、25日(日)のチャイニーズ・タイペイ戦でも赤穂はスターターとしてティップオフを迎え、第1戦は19分弱の出場で15得点。第2戦では16分弱で6得点、4リバウンドをマークした。さらに試合では速攻に絡むシーンも多く、185センチながら走力を持つ自身の持ち味もいかんなく発揮した。
赤穂は、ベルギーと対戦した5月開催の「三井不動産カップ」では、第1戦は13分強の出場も第2戦に至っては約4分のみの出場に留まっていた。本人は、その当時と現在との違いを「一番は気持ちの問題で、思い切りよくやれるようになっているのかなと感じています」と語る。
さらに翌日の第2戦後、詳しく話を聞くと、こんな答えが返ってきた。
「自分の中ではキッカケというものはなかったのですが、中国遠征で日本のリズムが良くない時に試合に出て、その時に私が上手いことできた。そこからプレータイムをもらえるようになり、自信になったというのはあります。
今まではミスしないようにと思っていたけど、“ミスをしないように”ではなくて、“ミスをしたら切り替えよう”ぐらいの考えになりました」
また、それまではフィニッシュのところでシュートを落としてしまうことが多かったが、中国遠征でフィニッシュを決め切ることができるようになったのも自信につながったという。
どちらかというと他国と比べると高さで劣っていた日本。だが、赤穂が2番ポジションを担うことで、時に高さで優位に立つ場面も今後は増えていくだろう。赤穂自身も「私が2番に出ることによってミスマッチがなくなるし、逆に攻撃でミスマッチ付くこともできると思います」と言う。
今年度の日本代表では、活動序盤は4番ポジション、その後3番となり、2番をやるようになったのは最近のこと。それでも「3番も2番もあまり変わらないし、コンバートされて(ポジションが)上になっていくのは楽しいです」と、頼もしい発言も。
「余裕が出てきた」という赤穂。「まだまだ経験が浅くて迷惑をかけている」とは言うものの、「楽しいです」と笑顔で語る表情には充実感が漂っていた。
文=田島早苗