2019.09.29

リバウンドで勝った日本。15リバウンドの宮澤夕貴は「センター陣がボックスアウトをしてくれていた」

19得点、15リバウンドとダブルダブルをマークした宮澤夕貴[写真]=fiba.com
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

 200cmを超える選手はいないものの、193㎝が2人に188㎝が5人と、チームの平均身長は185㎝のオーストラリア。一方の日本は193㎝の渡嘉敷来夢(JX-ENEOSサンフラワーズ)に185㎝の髙田真希、赤穂ひまわり(ともにデンソーアイリス)らを擁するが、平均身長は178㎝と高さでは劣る。

 それでもFIBA女子アジアカップの準決勝、日本はオーストラリアに76―64で勝利。最終スコアを見ると、トータルのリバウンド本数はオーストラリアが45に対し、日本は52と上回った。
 
 19得点のみならず、チーム最多となる15本のリバウンドを奪取した宮澤夕貴(JX-ENEOSサンフラワーズ)は、「ディフェンスリバウンドの時にセンター陣がボックスアウトをしてくれていたので、そこに3人目として加わり、リバウンドを取ることが今回の自分自身の仕事だと思っていました」とリバウンドについてこう語った。
 
 そのボックスアウトで体を張ったのが髙田と渡嘉敷で、渡嘉敷は「個人的にはディフェンスとボックスアウトを頑張れば、他のみんながどうにかしてくれるのではないかと思っていました。アース(宮澤)をはじめ他の選手には、自分がボックスアウトをするから絶対に取りに来てと言っていました。そういった形で本当に、チームのみんなと良いバスケットができました」と試合を振り返った。

 ダブルエースともいえる髙田と渡嘉敷が体を張り、そこに宮澤らが飛び込んでリバウンド。また、リバウンドで言えば、赤穂のオフェンスリバウンド7本もチームの窮地を救ったといえる。

「日本のトランジションが速いので、相手はシュートを打った後、すぐにディフェンスに戻りたい。そうするとオフェンスリバウンドに行かなくなります。だから、日本には速さが必要なのだと思います」とトム・ホーバスヘッドコーチは、日本の強みであるスピードがリバウンドにつながっていると語る。

オフェンスリバウンド7本で日本のセカンドチャンスを演出した赤穂ひまわり[写真]=fiba.com

 決勝の相手である中国は205cm、200㎝のツインタワーに加え、190㎝台が3人。平均身長も187㎝という大型チームだ。もちろん、インサイドを中心にタフな戦いが予想されるだろう。

「中国のセンター陣を攻略して、準決勝よりも良い形で、ディフェンスで貢献できたらいいなと思います。あとは自分が点を取るチャンスは少ないとは思いますが、(少ない中でも)しっかりとものにしたいと思っています」と渡嘉敷。

 オーストラリア以上の高さを誇る中国が相手でも、日本のやることは変わらない。激しいディフェンスからの速い攻め、そしてチームで取るリバウンドから勝機を見出す。

取材・文=田島早苗

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